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ツ、イ、ラ、ク 姫野カオルコ 角川文庫

姫野マニアとしては、やっぱり読んでおかなくちゃと手を出した1冊。

一応「渾身の長編恋愛小説」となっているけれど、普通のそれとは趣が違い、どこまでいっても「姫野式」だった。

流れとすると『終業式』に近いものがあるかも知れない。手紙やファックスのやりとりで……という形式ではないが、学生生活が鮮やかに描かれているという意味で。

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ツ、イ、ラ、ク

ザックリとこんな内容
  • 物語の舞台は地方の田舎町。
  • 先生と生徒の長編恋愛小説。
  • 姫野カオルコにしては珍しく微エロ要素アリ。

感想

毎度、楽しませてもらっているわけだが、今回は「どうしちゃったの? 姫野さん?」と、部屋一杯に?マークを飛ばしてしまいたくなるほど、大人しい作品だった。

作者の作品は、どれも味わいがあって面白いが、よくよく読んでみると「どれもみな同じ」ような印象を受ける「偉大なるマンネリズム」があり、独特の世界観は「姫野式」とも呼ばれている。

今回の『ツ、イ、ラ、ク』は、やけに「姫野式」のノリが大人しいような感じがした。基本的なことが変わっているわけではないのだが、爆発力が全く感じられなかった。

もしかしたら姫野カオルコはリアルな恋愛小説が苦手なのかも知れない。主人公がいつになく生き生きしていなかった気がすめ。上手い…と言えば上手いのだけど、臨場感が感じられなかった。

作者はいつのまに、こんなに小器用な作品を書く人になってしまったのか?

連載小説だった……というところに問題があるのだろうか。作品としては引き込まれるほど面白かったが、どうにも不満が残ってしまった。

本編の内容とは、なんら関係がないのだが、今回の作品を読んでいて、ふと思った。作者と漫画家の川原泉って、なにげに似ているな…なんて事を思った。

作風も違うし、テーマも違う。存在する次元はまったく違うけれど、同じ軸で回転している同じ物質……というような気がするのだ。交わることはありえないのだが、しかし繋がっているような気がする。

世界感を構築する術が似ているのかなぁ?

残念ながら私の周りには「姫野カオルコも川原泉も好き♪」という人が見当たらないので、誰かに確認する人が出来ないのだけれど。

もし、姫野カオルコと川原泉ともお好きなかたがおられましたら、是非、ご意見をお聞かせくださいませ。

最近は「姫野式は楽しめたけど、作品としてはイマイチ」なものが多くて消化不良だったのだけれど、今回はまったく逆の意味で消化不良になってしまった。

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