盛田隆二

焼け跡のハイヒール 盛田隆二 祥伝社

作者の作品を読むのはこれが初めて。図書館で見つけて題名に惚れた。少し前に読んで気に入った『彼方の友へ』が第二次世界大戦中を描いていたので続けて読んでみようかと。作者の両親を描いた作品で父は通信兵で母は看護婦(今は看護師表記だけど当時の呼び方...
燃え殻

ボクたちはみんな大人になれなかった 燃え殻 新潮社

Twitterで評判が良さそうだったので読んでみた。好き嫌いはともかく、おっさんホイホイ的作品だと思う。読みはじめて思ったのは「『フォレスト・ガンプ』の方式と同じだよね」ってこと。歴史(時事)と合わせて1人の人間の人生が進んでいく方式。恐ら...
茂木ちあき

空にむかってともだち宣言 茂木ちあき 国土社

2017年度青少年読書感想文全国コンクール、中学年の課題図書。夏休みの読書感想文と聞いただけで、苦々しく思い出が込み上げてくる方は多いかと思うのですが、私もその中の1人。本が好きなのと読書感想文が好きなのは全く別の話。大人になってWEBに本...
本谷有希子

乱暴と待機 本谷有希子 メディアファクトリー

芥川賞受賞記念って事でもう1冊読んでみた。お兄ちゃんから復讐される事を待っている引きこもりの妹と、その妹に復讐する事を考えている、お兄ちゃんの物語。ちなみにお兄ちゃんと妹は血の繋がった兄妹ではなく、家族ぐるみのお付き合いがあったご近所さん。...
諸田玲子

軽井沢令嬢物語 諸田玲子 潮出版

テレビの2時間ドラマのような話だった。舞台は第二次世界大戦前後。軽井沢にいる老舗ホテルの令嬢が主人公。主人公は幼い頃から贅沢に囲まれて育っていて、しかも自分の上には我がままで美しい姉。物語の滑り出しを読んだ時は「これはツボ過ぎる。設定だけで...
諸田玲子

昔日より 諸田玲子 講談社

お江戸が舞台の「ちょっといい話」を集めた短編集。たまには、こういう時代物を読んでみるのも良いものだなぁ……と思った。 地味で控えめな日本人の心がギッシリと詰め込まれていた。最近、何かというと「日本人は自己主張がなさ過ぎる」とか「感情表...
森見登美彦

ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦 角川書店

私は毎年、夏は「少年の成長物語を読む」と決めている。単なる妄信に過ぎないのだけど少年にとって「夏」は特別な季節だと思うのだ。夏休み明けに、教室に入ると突然クラスメイトの男子が大人びていて吃驚する…あの感覚を味わいたくて、必ずそのテの作品を手...
森田たま

今昔 森田たま 暮らしの手帳社

表紙の装丁が素敵だったので手にとってみた。パラパラめくると、着物の話などが書かれてあったから「明治生まれのセレブな奥様の書いた素敵エッセイかな」と思ったのだが、良い意味で裏切られてしまった。ひさしぶりに、作家惚れした。セレブな奥様の書いた素...
森達也

池袋シネマ青春譜 森達也 柏書房

読者を選ぶ本だと思う。小説なのだが、ぜんぜん万人向けではない。映画だの、芝居だのに興味のない人には読んでられないんじゃないかと思う。もっとも自分の知らない世界がテーマになっている物の方が、かえって新鮮で面白いこともある訳だが、ストーリーを追...
森下洋子

バレリーナの情熱 森下洋子 角川文庫

バレリーナである作者が、バレエや自分の生き方について綴ったエッセイ集である。文筆を本業としていないだけに、文章的には面白くない部分も多かったがスペシャリストの話というだけでも読む価値はあるし何よりも、森下洋子という人の「バレエ馬鹿」ぶりが魅...
森沢明夫

津軽百年食堂 森沢明夫 小学館

明治時代に弘前で開業した食堂にまつわる物語だった。食堂の開業者と、そのひ孫がダブル主人公になっていて、2つの恋が清々しく描かれた良作だと思う。表紙のイラストもとても良い。 明治時代の話と現代の話が交互に入るのだけど、私は現代の主人公よ...
森奈津子

シロツメクサ、アカツメクサ 森奈津子 光文社文庫

作者の書くお話は「ちょっと下品なエロが多いけど馬鹿馬鹿しくて面白いから好き」と思っていたのだけれど、今回は「それ以外」の作品を読むことができて興味深かった。9つからなる短編集で、うち8作は、いつもと同じパターンだったが、トリを飾った作品は「...
森奈津子

姫百合たちの放課後 森奈津子 フィールドワイ

東京の友人が「君ならきっと気に入るはずだ」と、わざわざ送りつけてくれた1冊である。レズビアンを主人公にした、エロ・SM・コメディ小説といったところだろうか。かなり下世話な作品なので「好きだ」という人よりも、そうでない人の方が多いんじゃないか...
森光子

吉原花魁日記 光明に芽ぐむ日 森光子 朝日文庫

明治時代、自由廃業した花魁が書いた日記。作者は歌人である柳原白蓮を頼って吉原を出て、告発本とも言えるこの作品を出版したとのこと。小説ではなく、あくまでも日記なので「読み物」と言うよりも、資料的な意味合いが強いと思う。 なかなか興味深い...
森茉莉

記憶の繪 森茉莉 ちくま文庫

数年ぶりに再読してみた。相変わらず、この作者の書いた物を読むと呆然とさせられる。50歳を越えた人の文章とは到底思えない。子供の心を持ったまま大人になった人と言う印象がある。文章はちゃんとしているのだけれど、考え方とか感性が幼児のまま大人にな...
森真沙子

妖恋花 幻想押花帖 森真沙子 実業之日本社

作者の作品を読むのは、かれこれ4冊目になるのだが(読書録には書いていないけれど)どの作品も、そこはかとなく「少女漫画の匂い」がする。夢見がちな文章であるとか、設定がいかにも少女漫画というわけではないのに、なんとなく「あ。少女漫画」と感じる部...
森晶麿

ホテル・モーリス 森晶麿 講談社

かつては名ホテルとして名を馳せたのに、廃業寸前まで落ちぶれたホテル・モーリスが舞台の劇場型ミステリー。一応、ミステリーのくくりに入るらしいけれど、どちらかと言うとコメディー寄りではないかと思う。 ふと考えてみると、ホテルとか旅館を舞台...
本谷有希子

ぬるい毒 本谷有希子 新潮社

ものすごく嫌な気持ちになる作品なのだけど、わりと面白かった。こんな風に「嫌な感じ」を演出出来るって、ある意味凄いのかも知れない……と思う。 19歳の女子大生だった主人公のもとに、ある日、同級生と名乗る男性から電話がかかってくる。そして...