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魂萌え!(上・下) 桐野夏生 新潮文庫

噂通りの面白さだった。

母の友人から「すごく面白い!」と熱く感想を聞かされて、読んでみようと思った訳だが、この作品が世の奥様(特に年輩の方)のハートを鷲掴みにした理由はよく分かった。

主人公のような奥様って、ご近所に数人はおられると思う。人間観察の勝利と言うのかなぁ。奥様の描写がとてもリアル。

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魂萌え!

夫婦ふたりで平穏な生活を送っていた関口敏子、59歳。63歳の夫・隆之が心臓麻痺で急死し、その人生は一変した。

8年ぶりにあらわれ強引に同居を迫る長男・彰之。長女・美保を巻き込み持ちあがる相続問題。

しかし、なによりも敏子の心を乱し、惑わせるのは、夫の遺した衝撃的な「秘密」だった。

アマゾンより引用

感想

夫の死をキッカケに成長(?)する女性の物語。

長年、専業主婦として生きてきただけに物の考え方が主婦っぽくて、可愛らしいと言えば可愛らしいし、馬鹿っぽいと言えば馬鹿っぽい。

真面目で善良な日本の奥様……という印象。

奥様の周囲にいる友人達や、亡くなった夫の友人達もなかなか良い味を出していたと思う。何度「いる、いる。こういうタイプの人っているよね」と相槌を打ったことだろう。

読者を飽きさせない物語の作りは流石としか言いようがなく、いっきに読み終えてしまった。

殺人事件が起こったりする訳ではないのに「次はどうなるんだろう?」とドキドキしてページをめくるタイプの小説で、読み物としては上出来の部類だと思う。

ただ、少し残念だったのは、登場人物達は結局のところ、全員「良い人」というオチがついてしまったところだろうか。

もちろん汚い部分も書いているのだけど、いささか奇麗事過ぎる気がした。『OUT』で満喫したような毒を期待して読むと、がっかりすると思う。

面白く思って読んだけれど、共感出来る部分は全く無かった。

主人公達と世代が違う…とい部分もあるのだけれど、なんだか「私とは違う次元の人達だなぁ」と思ってしまった。

こういう言い方をしたら失礼だが「主人公のように漫然と暮らしていたら、ちょっとは痛い目に会うのも当然じゃないかな」と思わずにはいられなかったのだ。

もっとも、この作品の良いところは主人公が、そのことに気付いて変わっていく……というコンセプトなのだけど。

物語とは何の関係もないのだけど、登場人物にオペラ歌手のおっかけをしている女性が登場する。

そのオペラ歌手のファンクラブには私も一時、所属していたことがあって微妙な気分になってしまった。

桐野夏生はきっとファンクラブ内部に知り合いか何かがいたのだろうと思う。イザコザがリアルで苦笑いさせられた。

読ませる力が強く、充分に楽しませてくれる良い作品だと思った。

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白い木蓮の花の下で
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