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ささらさや 加納朋子 幻冬舎

どうしたものか、無性に「気持ちの良い物語」を読みたくなって手をとった。

人殺しもなく、あまり嫌な感じの人間が出てこなくて、素直に良かったと思えるような、そんな作品を。それでもって加納朋子のことを思い出したのだ。

加納朋子なら、そういう物語を書くのが得意なのではないかしら……と。

実際、私の想像したとおりだった。とても気持ちがよくて面白い物語だった。

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ささらさや

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事故で夫を失ったサヤは赤ん坊のユウ坊と佐佐良の街へ移住する。

そこでは不思議な事件が次々に起こる。けれど、その度に亡き夫が他人の姿を借りて助けに来るのだ。

そんなサヤに、義姉がユウ坊を養子にしたいと圧力をかけてくる。そしてユウ坊が誘拐された!

ゴーストの夫とサヤが永遠の別れを迎えるまでの愛しく切ない日々。

アマゾンより引用

感想

若くして交通事故で死んだ夫が、頼りなげな妻と、乳飲み子の息子がピンチになると他人の身体を寄り代にして助けにくる……という幽霊話。

一話完結の連作式になっていて、するすると読むことができた。とてもメルヘンな話だった。ファンタージーというほどちゃんとしたものではなくて「メルヘン」という言葉の持つ薄っぺらさが似合うような、そんな作品。

少女漫画の粋を出ていないような薄っぺらさではあったけれど、軽い読み物として読み流すには丁度良く、毒のなさも慣れてくれば心地よく……といった感じ。

笑っちゃうほど「いい人」しか登場しない物語で、悪人が1人も見当たらない。ヒロインの「サヤ」にいたっては「いい人」を通り越して「人間として、母としてどうかな?」というような勢い。

主人公は見た目に優しく、心優しく、線の細い女性なのだ。実際問題として考えると、あれではいくらサポーターがいても1人で乳飲み子を育てていけようはずもない。

そして幼い優しさは、別の見方をすると自己中心的でもあったりするのだが、そういうツッコミはしてはいけない感じ。

1つ1つの物語は、そうたいしたものではなかったが、ヒロインを取り巻く人々が個性的で読んでいて気持ちよかった。

三婆トリオに、粋のいいエリカさん。エリカさんみたいな女性って好きだなぁ。ヒロインよりも素敵に思えた。

とにかく、この作品の登場人物は、みな善意に溢れているのだ。甘い設定は池永陽ちっくでもあるが、無茶をしない分だけ作者の方に分があるような気がする。

少々難アリではあるけれど「少女漫画ちっく」で「なにかにつけ設定が甘い」ということさえ気になければ、けっこういける。

話作りも、人作りもしっかりしていて、気持ち良く面白かった。たまには、こういうのも良いかも……なんて思ったりした。

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白い木蓮の花の下で
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