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まぶた 小川洋子 新潮社

そこそこ面白く、サクサクと楽しめたが、しかし心に残るかと言えばそうでもない短編ばかりを取り揃えた1冊……という印象の作品だった。

だが「面白くなかった」かと言えば、そういう訳ではないのだ。

心に刻み付けられるような類のものだけが名作かと言えば、そういう訳でもないのだから。「その瞬間さえドキドキしたら、それでいいや」ってのもアリだと思う。

TV番組で言うなら『世にも奇妙な物語』のスペシャルみたいなものだ。すごくドキドキして観るし、そのときは感動したりもするけれど、後に引かないあの感じと、ちょっと似ている。

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まぶた

15歳のわたしは、高級レストランの裏手で出会った中年男と、不釣合いな逢瀬を重ねている。

男の部屋でいつも感じる奇妙な視線の持ち主は?──「まぶた」。

母のお気に入りの弟は背泳ぎの強化選手だったが、ある日突然左腕が耳に沿って伸ばした格好で固まってしまった──「バックストローク」

など、現実と悪夢の間を揺れ動く不思議なリアリティで、読者の心をつかんで離さない8編を収録。

アマゾンより引用

感想

小川洋子の書く世界には変人が沢山でてくるので、読んでいて、ものすごくホッとする。

匂いを収集している人だの、左手を上げたまま、下げることができなくなってしまった水泳選手だの。

「病的な」という形容詞は好きでないが、そう表現するしかないような歪んだ人ばかりが登場するのだ。

そして変人ばかりが登場する物語を読んでいると、変人が変でないような気がしてきて、とても気持ちが良いのだ。これもまた1種の癒し系? かと思ったりもする。

この作品も、いつも通り「よく出来たお話」という感じで、優等生ではあるがパンチ不足の感があった。

表題作の『まぶた』は『ホテル・アイリス』の基盤になっていたのか、それとも『ホテル・アイリス』の進化系なのかは知らないが、なにやら似たような設定が使われていて、思わず「むふふ」と口元を緩めてしまった。

ちなみに私のベスト小川洋子作品は『ホテル・アイリス』なのだ。小川洋子の書くオカシナヒトが際立っているところが、なんともツボ過ぎなので。

今回の作品を読んでハッとしたのは、小川洋子は男性を描くのが苦手なのかも……ってこと。

女性に関してはドキドキするほど素敵だったりするのに、男性になると、とたんに通り一遍な表現で収まってしまっているような気がする。

そのあたりを脱皮できたら作品から「少女小説臭さ」が一掃できるのだろうになぁ。少女小説臭いところも魅力なのかも知れないけれど。

サッと読み捨てるのに良い1冊だと思う。夏バテ読書の共に是非。

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白い木蓮の花の下で
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