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ガーデン・ガーデン 稲葉真弓 講談社

稲葉真弓はなんとなく敬遠していた作家さんだけど、今まで読まずにいて損しちゃったなぁと思う。

名前にしろ、題名にしろ、どこか少女めいているので、砂糖菓子のように甘く、それなりに楽しいけど物足りないような作品を書く人だろうと1人勝手に思い込んでいたのだ。

しかし、イメージと作品は全然違っていた。ひと言で言うなら「大人の読み物」なのだ。

10代やそこらの年齢では良さが分からないんじゃないかと思う。そう思えば、今の年齢で出会ったのはラッキーだったかも知れない。

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ガーデン・ガーデン

女たちが戯れるエロスの庭。そこに咲く花には顔がなかった。

奇妙な“消す”仕事から、夫婦の性と孤独、危うい愛のかたちが見えてくる。秀作集。「ガーデン・ガーデン」/「クリア・ゾーン」/「春の亡霊」。3篇収録!

アマゾンより引用

感想

表題作の中篇が1つ。短編が2つで構成されていた。

表題作はスワッピングの斡旋業をている雑誌社で、写真修正を仕事にしているバツイチ女性の話。キワドイ職場の話だが、物語じたいは実に淡々としていた。

露骨に写された性器にフィルターをかけながら、主人公は、かつて結婚していた頃のことを自問自答したり、同僚達と「性」について、あるいは「結婚」について、とりとめもなく話したりする……という物語。

話が話なだけにオチのような物はないのだが「ああ。読んだなぁ」というような読み応えがあり、読後感も悪くない。収録作の短編も、そこそこ面白かった。

稲葉真弓の書く人々は密やかに生を「営んでいる」という感じがする。

自分自身にシンクロする感覚も多くて「私も、こんな風に年を重ねていくのかなぁ」と考えさせられてしまう。

主人公が40代の女性なのも興味深い。

30代ほどのガッツもなく、かといって枯れてしまうには早すぎるような女性達が色々なことを感じながら、水の中を歩くような調子で生きている様子が、ちょっと切ないけど哀れさを感じるほどでもなく、とても良い感じなのだ。

なんか、こう……上手く表現し難いのだけれど。

稲葉真弓の描く人々は、生きることに対して、いい意味で淡白なのだ。淡白だけど、人生を捨ててはいない。

こういうのって、人間臭くていいなあ……と思う。

しばらくは、稲葉真弓の作品を追いかけてみたいと思う。今までに私が読んだことのない世界感を持った作家さんだと思う。

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白い木蓮の花の下で
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