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金木犀と彼岸花。

この秋は金木犀の香りをほとんど感じていない。

私が子どもの頃。小さな戸建住宅であったとしても生け垣と金木犀が植えられていた。そう言えば私が子どもの頃住んでいた家の庭は生け垣で囲われていたし、金木犀が植えられていた。隣の家にも向かいの家にも金木犀が植わっていたように思う。

要するに金木犀は当時の流行っていた庭木だったと思うのだけど「金木犀=トイレの香り」と言われるようになってから、あれよあれよ言う間に数が減り、最近ではほとんど見なくなってしまった。

新しい家に植えられるシンボルツリーはハナミズキかオリーブあたりが人気なんだろうか? とにかく新しく金木犀を植える家なんて皆無だと言って良いと思う。

それでも娘が小さい頃は金木犀もそこそこ植わっていたように思う。

しかし、家の老朽化だったり、持ち主が亡くなってしまったりと古い家が壊されて新しい家が建つたびに金木犀は姿を消し、昨今はほとんど見かけなくなってしまった。

代わりに幅を利かせているのが彼岸花である。すでに今年の彼岸花シーズンは終わってしまったけれど、こちらはやたら見掛けるようになった。

私が子どもの頃は彼岸花なんて、けっこうな田舎に行かないと見る事が出来なかった。

お墓参りに行った時とか、広大な田畑が広がっているような田園地帯とか。私が住んでいる市にも当時から田んぼ畑があったけれど、あぜ道等で彼岸花を見ることはなく「彼岸花は田舎でしか見られない」と思っていたのに、最近あちこちちで見掛けるようになった。

JRの線路脇、ちょっとした空き地、小さな児童公園の隅、場合によってはプランターで彼岸花を育てている人もいるようだ。彼岸花って、いつ頃からこんなに好かれるようになったんだろう?

子どもの頃、祖母に「彼岸花綺麗だねぇ」なんて言おうものなら「彼岸花は縁起が悪いから触ってはいけないよ」と嗜められたものだ。

祖母は彼岸花を「縁起の悪い花」と嫌っていて、子ども心に「お墓に咲くから縁起が悪いって言われるんだろうな」くらいに思っていた。

彼岸花には毒があり、事故を防ぐために「彼岸花は縁起が悪い」と言われていたってことを知ったのは大人になってからのことだ。

景色ってわずか30年ほどでこんなに変わってしまうんだなぁ。

ちなみに彼岸花は年々増えている印象があり、JRの線路脇の彼岸花は毎年少しずつ勢力を拡大している。

私は金木犀の香りを嗅ぐと「秋が来たなぁ~」と思うのだけど、もしかしたら娘は彼岸花を見て「秋が来たな~」と思うのかも知れない。仕方がないことではあるけれど、ちょっと寂しく思ってしまう。

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日記
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白い木蓮の花の下で
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