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忘れちゃう幸せ。

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母達との関わり方について随分慣れてきたと思うのだけど、それでもドッっと疲れる事がある。

先日も実母の診察に付き添ってガックリする事があった。神経科の主治医から「お加減大丈夫ですか? 何か変わった事はありませんがでしたか?」と聞かれた母は「はい。元気でした」と元気にお返事。

実母は先週、具合が悪くなって1人で救急外来で病院へ駆け込み、検査の結果「どこも悪くありません」と診断されて救急外来の先生から神経科の先生に診断書を持たされて帰宅する…と言う事があったばかり。空いた口が塞がらないとはまさにこの事。

主治医は私の口から事の顛末を説明した。

後で実母に「お医者さんにはちゃんと本当の事を言わなきゃダメだよ」と言ったところ「先週の事なんてすっかり忘れてた」との返事が返ってきた。

散々振り回された私からすると腹立たしいことこの上ないのだけど、たぶん本当に「すっかり忘れてた」のだと思う。だって義母も全く同じような事が多々あるのだ。

実母も義母も自分に都合が悪い事は本当に忘れてしまうらしい。

指摘されると「そうだったからしら~」と暢気な様子で笑っている。嘘を言っている風ではなくて、実に晴れ晴れとした顔で笑っているのだ。

実母については神経科・精神科にかかる時に認知症についても調べてもらっていて「脳の萎縮はありますが今のところ問題ないレベルです」と診断を受けている。

それでも自分に都合の悪い事はまるっと上書き。

認知症の心配があるのは義母の方。入院騒動の時、冷蔵庫から半分だけ食べた林檎が山ほど出てきたり、一口だけ飲んで放置したペットボトルが大量に置いてあったりした事が判明。

私と夫、義姉は認知症を疑っているのだけれど、長男の義兄が納得出来ていないので、この件については絶賛放置中。

ただ「私はそんな事言ってない」「私がそんなことをするはずがない」と言うような事件がちょくちょく起こっていて、こちらも嘘ではなく本気でそう思っているような感じ。

「本当に忘れちゃっているんだから仕方がない」と頭では理解しているのだけど、それでもムカついたりする事が多々ある。母達のあしらいは随分上手になってきたと思うものの、完全に慣れるとなると難しい気がする。

でも母達を見ていると「忘れちゃうのも悪くないのかもね」とは思う。相手をする側からすれば堪ったものではないけれど、本人達はアッケラカンとしていて全く悪びれる様子がない。

高齢者との付き合いは、イヤイヤ期真っ只中にいる2歳児の付き合いと似ている気がする。

本人が嫌だと言ったら梃子でも動かないし、何度注意しても忘れてしまうのか、そもそも聞いちゃいないのか。まともに取り合ってカリカリしていては、こっちの方がやられてしまう。

色々と難しいところではあるけれど、出来るだけカリカリせずにやり過ごして行きたいな…と思う。

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日記
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