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ハリネズミ乙女、はじめての恋 令丈ヒロ子 角川書店

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大人の小説で…と言う意味では初挑戦の作家さん。

作者は児童文学の作家さんで講談社の青い鳥文庫で『若おかみは小学生!』のシリーズで人気を博している。

2000年に入ってからの作品なので、私はちゃんと読んだ事がなくて娘の付き合いでサラッっと流した程度。

小学生には人気なんだろうなぁ…と思ったものの、良くも悪くもそれ以上の印象は無かった。

若おかみシリーズの作家さんが大人向けの作品を書いたと言うことで、ツイッター界隈で評判になっていて「そっか…現役で読んでいた子達は大人になってるんだ」と感心してしまった。

で、私も興味が出てきた借りてみた次第。

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ハリネズミ乙女、はじめての恋

嶋本好花(シマモトコノカ)19才。コノカが大阪にうまく適応できなかった原因は、おばあちゃんの代から続く芸人一家だということ。

誰も寄せ付けない精神的引きこもりになったコノカの夢は、東京に出て、だれも自分と自分の家族のことを知らない中での生活……「匿名生活」をおくることだった。

ドジでお世間知らずのコノカは、居酒屋のバイトもクビ。そんな中、通りかかったペットショップで1匹の白いハリネズミに心惹かれる。

アマゾンより引用

感想

主人公は大阪の芸人一家の家で育った引っ込み思案で気弱な女の子。家が嫌いで高校を卒業するのと同時に家を出て、アルバイトをしながら東京で一人暮らしを始める。

このヒロイン、大人しいを通り越して、最初は正直ウザく感じた。

アニメで言うところの『エヴァンゲリオン』の碇シンジの女の子版ってところ。「デモデモダッテ」な感じで「あ~。このラノベ感、オバちゃんにはキツイわぁ」と思っていた。

しかし、彼女が最初のアルバイト先の居酒屋をクビ同然で辞めることになり、ペットショップでアルバイトをはじめて、白いハリネズミと出会ってから、話がグッっと面白くなった。

彼女はなんとハリネズミと会話が出来るのだ。

どうやら子どもの頃から動物と会話出来る事があったとかなんとか。そこから話が一気に転がっていく。

あるキッカケからヒロインは「ハリネズミ乙女(ハリ乙女)」として芸人デビューすることになる。話がどんどん進んでいって「上手く行き過ぎじゃないの?」と思ったりもしたのだけれど、やっぱりそう上手くいくはずもなく大きな試練が訪れる。

私。実は後半で少し泣かされてしまった。

「あ~。このラノベ感、オバちゃんにはキツイわぁ」とか言ってすまんかった。全然、ラノベじゃなかった。

この作品は題名に「恋」と言う言葉がついているので、てっきり恋愛小説かと思っていたけれど、恋愛小説ではなくてどちらかと言うと成長小説・青春小説だった。

主人公がハリネズミと出会い、成長していく姿は清々しくて読んでいて気持ちよかった。駄目っ子なりの頑張りが健気で良かったし、相棒の白ハリネズミの存在はたまらぬものがあった。

色々な事が上手いこと進み過ぎるな…と思うところもあったけれど、ハッピーエンドだし面白かったので目を瞑ることにする。

期待せずに手に取ったのだけど、満足のいく読書をさせてもらった。作者が今後、大人向けに何か書く事があれば、是非読ませてもらたいたいと思う。

だけど令丈ヒロ子の大人向けの新刊が出たら、とりあえず次も読みたいと思う。

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