昨年から、リリー・フランキーって人が書いた同名の小説がやたらと人気だ。
リリー・フランキーの『東京タワー』私も読みたくて仕方が無いのだけど、大枚をはたいて買う勇気はなく、図書館でも予約待ちの列。
仕方が無いので、ちょうど文庫化されて本屋で平積みになっていた、この作品を手にとってみた次第。
東京タワー
大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界はみちたりていた。恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを、詩史に教わった。
一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、蠱惑的な喜美子に夢中だった。彼女との肉体関係に…。
夫もいる年上の女性と大学生の少年。東京タワーが見守る街で、二組の対極的な恋人たちが繰り広げる長篇恋愛小説。
アマゾンより引用
感想
読んでおいて言うのも、なんだけど、私は作者の書く作品と相性が良くないらしい。
面白い文章を書く人だと思うし、簡単に読めるのに、人間の根本が違っているとしか思えないほど性に合わないのだ。
だけど「今回の作品は今までとは違うよ」なんて噂を聞いたりすると「ちょっと読んでみてもいいかも」と思うのが本読み人の業なのだ。
30代の女性と、イケメン大学生が不倫をする話だった。
日々是交合。繁殖を伴わない動物的な交わりが延々と続く小説だった。ごめんなさい…私には無理でした。
なんかこう…「肌感覚さえ合えば万事OK」とか「フィーリングがあえば恋に落ちるの」みたいなノリにはついていけないのだ。
あぁ。だけど私はこういう小説を軽んじている訳じゃない。ある意味スゴイ。
世の中の人はこんな風にセックスをするのだろうか。それとも、そんな風に出来ないから、そんなのに憧れちゃうのだろうか。
つくづく謎である。愛とか、恋って言葉の定義は、個人差があり過ぎて、同じカテゴリに入れて語ってはいけないような気がする。
「やっぱり、この江國香織とはトコトン合わないみたい」ってことを再確認させられた1冊だった。