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大づち小づち 内海隆一郎 河出書房新社

ものすごく久しぶりに「安心して読める小説」に出会ったような気がする。「さぁ、私の腕に飛び込んでおいで」と言われて「じゃあ遠慮なく」と飛び込んでいったような感じ。

もちろん、その懐は広くて深いのだ。

こんなに安定感のある小説は最近、とんとん出会ったことがなかった。これは作者の実力だろうか? それとも人柄なのだろうか?

包容力にあふれたオヤジの匂いがした。かつてないほどの「抱きしめられ感」があったのだ。

面白い小説は数あるが、最近出会ったものは「面白いけど、なんだか不安定」な作品が多かったので大感激である。

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大づち小づち

青春をかけるもの見つかったんだ!寂しさを抱えた現代の申し子が宮大工として生きることを決めるまで…。

迷走する少年たちは、どうすれば自分の夢や可能性を見出すことができるのだろうか。

武蔵野の一角にある川島工務店を訪ねた少年・剛。寂しさを抱えた現代の申し子が宮大工として生きることを決めるまでを描く。

アマゾンより引用

感想

物語は不良少年が宮大工の棟梁の家で暮らしていくうちに、色々なことを見聞きして成長していく……という、人間万歳な物語り。

登場人物が、よく出来た人ばかりで、いつもなら「なんだい。こんなに上手く話が進む訳ないじゃないか」と思ってしまいそうな設定なのに、そんなことは気にならないくらいに、ずっしりとした安定感があるのだ。

「ガタガタ言わずに読みなさい」とばかりに、ズイズイと話が進んでいって、物語に引きこまれてしまった。木の匂がするのだ。ノミ打つ音がするのだ。

やっぱ仕事人って、いいなぁ。

人間として生まれてきたからには、嫌だろうがなんだろうが、働かなくては食べていけない。どうせ働くなら自分の仕事が好きでいられたら幸せだ。この作品には、そんな幸せの形がある思う。

ファンになっちゃいそうな予感がする作家さんである。

やや優等生過ぎる節はあるけれど、こういう真面目な小説って、ありそうでないだけに、これもまた強烈な個性のような気がする。

しっかりした大人の男性が書いた小説だになぁ……という印象。

こういう作品に出会えてホント嬉しい。

痛い系の話も好きだが、明るくて前向きな話も同じくらい好きだ。「まぁ、騙されたと思って読んでみてよ」とて宣伝して歩きたいような1冊である。

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白い木蓮の花の下で
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