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妖精愛 谷村志穂 河出書房新社

谷村志穂は「なんとなく胡散臭くて好きになれないかも」という、読まず嫌いとしか言いようのない理由から、今まで手に取ったことのない作家さんだった。

だいたいからして私は「女性の気持ちを克明に描写している」という作家さんの作品に肩入れできた事がないのだ。

しかし『妖精愛』は思いがけず面白かった。

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妖精愛

許されない恋をしてしまったがゆえに、奈緒子の心は少しずつ現実から遊離してゆく…。

表題作ほか、満たされない心を抱え、刹那の性愛を求めてあがく女たちの姿を描く恋愛短編集。全9編

アマゾンより引用

感想

面白かったというよりも「上手かった」と言う方が適切かも知れない。

若い女性を主人公にした短編集だったのだが「あっ。このヒロインってば、私と似てる」と思うヒロインがいた。もちろん、ノリが似ているというだけなのだけど。

あまりにも「もしかして私?」とまで思ってしまうような描き方だったので、なんだかドッキリしてしまったのだ。上手いぜ……上手すぎる。

作者の作品は初チャレンジなので「傾向と対策」がどうなっているのか分からないのだけど、谷村志穂自身のあとがきによると「本当に壊れそうな時期に書いた作品」らしい。

やたらと不安定で、精神衛生的には良くない作品が多い。

読んでいると、引きずり込まれそうな……足元を掬われてしまいそうな、そんな作品。

それがまた、上手いから性質が悪い。できることなら、エネルギー充填120%で、波動胞準備OK……というくらい勢いのある時に読んだ方がいいかも知れない。

不安定さも、その危うさも、人間のたった一部に過ぎないと思うのだが、しかし、そういう負の影響力って、馬鹿にできないくらいに急力だったりするから。

小説の本編とは、なんら関係はないのだが本の装丁が素敵に(?)エロティクで良かった。

アニメちっく&ファンタジー調で、可愛いチビッコが見たらば「あっ。可愛い」って思うだろうが、大人が見ると恥ずかしいかも……という気の利いた表紙絵なのだ。(文庫化する時に表紙絵は変更されています)

以前、林真理子姫野カオルコの作品で「読まず嫌いは自分にとって損だなぁ」と思ったことがあったけど、今回も読まず嫌いは損をするなぁ……と思った。

もっとも、この作品に限ってピンときてしまったのかも知れないけれど。

それにしても上手い小説だったなぁ……

少し時代的に古臭い部分はあったけれど、ヒロイン達は現実的に、自分のそばにいても不思議ではないようなタイプだったし。

谷村志穂の作品は続けて、あと何冊か読んでみたいなぁ……と思った1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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