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吉村昭、没後10年。

今年は吉村昭の没後10年とのこと。吉村昭が亡くなったのは、ついこの間のように思っていたので「もう、そんなに経ってましたっけ?」と驚いた。子どもの頃は1年がとてつもなく長く感じられて、周囲の大人達が「10年なんてアッっと言う間だよ」と言っているのを信じられなかったけれど、自分自身が大人になると当時の大人達と同じように「10年なんてアッと言う間だな」と思ってしまう。

吉村昭は大好きな作家で、このサイトにもいくつか感想を載せている。読んだだけで感想を書けていない作品も少なくないけれど、作品数の多い作家さんなので未だに全ての作品を読めていない。読書にあてる時間が膨大にあれば読みたいけれど、新しい作家さんの作品も読みたいので、なかなか追いついていかない…と言うのが現状だ。

好きな作品は沢山あるけれど『熊嵐』『高熱隊道』『破獄』『プリズンの満月』が特に好きだ。吉村昭は綿密な取材と調査に基づいて作品を描く人として知られていて、ドラマティックな物語でも決してお涙頂戴ではない。とにかくカッコいい。男の中の男って感じがいい。惚れずにはいられない……それが吉村昭の作品だと思う。

自分の考えは表に出さず淡々とした文章なのだけど、作品を通して伝わってくる物があるところが凄い。どの作品も読んだ後で胸が熱くなる。逆に凄く嫌な気分になる作品もある。化粧水で言うなら「浸透力が凄い!」って感じなのだ。ファンデーションとか、口紅ではなく基礎化粧品。直接肌に働きかけてくるの感じ。

吉村昭と言えば、妻である津村節子はどうしているのだろう? 吉村昭の死後もポツポツ作品を書いておられて、吉村昭の死にまつわる話は私も興味深く読んだけれど、最近は新しい作品を発表されていないような。2016年現在88歳とご高齢なのでお元気かな…と少し気になる。ちなみに津村節子も大好きな作家さんで特に好きなのは『白百合の崖 山川登美子・歌と恋』。今でもたまに読み返す。こんなに素敵な作品なのに紙媒体の本は絶版していてkindle版でしか読めないようだけど、私にとっては一生の宝物だ。

なんだか話があちこち飛んでしまっているけれど、結局何が言いたいかと言うと「夫婦ともに作家で、しかも2人も素晴らしい作家って凄いよね」って話。夫婦共に作家で、しかも夫婦とも活躍していて添い遂げた…って珍しいケースではないかと思う。

吉村昭、没後10年。今年はまだ読んでいない作品を読みたいなぁ…と思っている。

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白い木蓮の花の下で
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