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あなたと共に逝きましょう 村田喜代子 朝日新聞出版

なんだか吃驚するくらい上手い小説だった。ずっと共働きをしてきた団塊世代の夫婦の物語。

夫が病に倒れ、それに立ち向かっていく妻が主人公。

感動的な介護小説でもなければ、夫婦愛を高らかに謳い上げた作品と言う訳でもない。もっと複雑で考えさせられる作品だった。

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あなたと共に逝きましょう

老い方の下手な団塊世代夫婦を突然襲った、夫の動脈瘤破裂の危機。

妻はどのように受け止め、そして暮らしたのか。食事療法を行い、湯治のために硫黄噴く北の岩盤浴の地へ向かう。

人間の体と心の奥深い謎に潜り、病が変える人間関係をみつめた長編小説。

アマゾンより引用

感想

私も既婚者だが、正直なところこの夫婦には全く共感出来なかった。

年齢が違い過ぎると言うところもあるだろうが、団塊世代の人達と団塊ジュニア世代とでは価値観が…夫婦の形が違い過ぎているのだ。

もちろん団塊ジュニア世代の中にも昔風な価値観で生きている人もいるとは思うけれど、若い世代にこの小説を味わい尽くすのは不可能だと思う。

逆に言うなら、団塊世代の人には…特に団塊世代の既婚女性には是非とも読んで欲しいと思う。

この作品の何が凄いかと言うとラストへの持って行きようだと思う。

もちろん、途中の描写も素晴らしくて、私など父が亡くなる前の1年のことを思い出してしまったほどだ。ヒロインの姿は、かつての母と重なることがあり「なんて上手いんだろう」と舌を巻いた。だが、ラストはそれ以上に素晴らしかった。

夫の手術が無事に済んだ後、ヒロインは素直に「良かった」と思う以上に別の感情に支配されるのだ。私には思いもよらない結末だったけれど納得のいくものだった。

夫婦という関係の複雑さをが上手過ぎるほど上手く描けていると思う。結婚して4年に満たない私などには、なかなか行きつくことの出来ない境地だ。

もしかしたら、長く結婚生活を続けたとしても行きつくことは出来ないかも知れない。

老後の生活や、介護、看病を描いた小説は多くあるけれど、この作品はその中で「名作」の地位を確保出来ると思う。既存のどの作品とも似ていない新しい視点の作品だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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