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介護と車椅子。育児とベビーカー。

ツイッターで遥洋子さんが車椅子の高齢者を歌舞伎に連れて行った話を書いたコラムが話題になっていた。

私自身、最近実母のことで介護問題には興味があるので『日経ビジネスオンライン』に登録して、遥洋子さんのコラムを読み、遥洋子さんのコラムに対して反論していたブログも読んだのだけど、どちらも興味深い内容だった。

遥洋子さんのコラムには「車椅子で外出したけれど劇場の対応が最悪だった」と言うことと「歌舞伎に行くのにお洒落な服も着せて」と言うような内容が書かれていて、それに対して反論しているブログには「歌舞伎の問題として書かれているけれど、歌舞伎を運営している松竹株式会社直営劇場では、そんな対応はあり得ないので、巡業の話ではないか? 巡業だと地方自治体の運営なので、歌舞伎が悪いと言うのはいかがなものか?」って話。

第三者的に見て、反論ブログの方が正しいと思う。

遥洋子さんのコラムは間違っていると言うよりも遥洋子さんは歌舞伎に対しても介護に対しても不勉強なのだと感じた。遥洋子さんはご自身も介護を経験されているようだけど、少なくもと介護施設の現状はご存知ないのかな……と言う印象。

私は「人間の世話」がこの世の中で最も面倒臭い仕事だと思っている。具体的に言うと、育児(子どもの世話)と介護(老人の世話)と看護(病人の世話)だ。

「人間の世話なんて誰でも出来る。女の仕事だし馬鹿でも出来る」と言う人もいて、それってある方向から見れば一理あるとは思うものの「誰でも出来る仕事」だとしても「誰もがやりたがる仕事」でない事だけは間違いない。その証拠に、保育士、ヘルパー、介護師、看護師はいつだって人手不足で、設備があっても人材がいないから開業できない施設があるほどだ。

遥洋子のコラムにあった「お洒落な人なのにジャージのような服しか用意してくれない」とか「車椅子の状態が悪い」「夜の介護施設は職員が少ない」なんて、今の介護施設の現状を知っていれば文句など言えないと思う。セレブな高級老人施設は知らないけれど、ほとんどの介護施設は人手不足。入所者に「趣味のお出掛け」をさせてあげたければ、家族(この場合は連れ出した遥洋子さん)が自ら手配するべきところなのだ。お洒落な服や寒さ対策の膝掛けは介護施設の職員が用意するべきものではなくて、遥洋子さんがするべきだった。

車椅子の扱いにしても、しかり。私は個人的に身体の不自由な人は優先されるべきだと思っているけれど、現実世界はそうじゃない。「車椅子だから配慮しなさいよ!」と息巻いてみたところで、どうにもならない場面は多い。だからこそ「特別なお出掛け」には下調べが必要になってくるかと思う。

そして今回の問題は育児にもまるっと当てはまる。老人を連れ出す時の心構えと、乳幼児を連れ出す時の心構えはほとんど同じだ。

乳幼児を持つ母親の荷物は小旅行並みに多い。汚した時の着替え、温度調節の出来る服、食べ物、汚した時用のウエットティッシュやビニール袋、大人しくさせるための玩具や食べ物……。そしてベビーカー。賢い母親ならベビーカーで「特別な場所をにお出掛け」に行くときは「ベビーカーで行っても大丈夫かどうか」「バリアフリーになっているかどうか」「舞台を見ている時のベビーカーの預かり所の有無」等、事前に下調べするだろう。それなのに何か失敗しようものなら「今どきの母親は…」「だからベビーカーは……」とバッシングの嵐。老人の車椅子はベビーカーほど疎まれていない分マシなんじゃないかな……とさえ思う。

コラムで遥洋子さんが憤慨されていた気持ちは分からなくもない。しかし今の日本の介護情勢で、遥洋子さんが理想とするような、介護を受ける人の尊厳を重視する介護サービスを求めるなんて無理なのだ。こう言う問題に触れるとき、いつも思うのは「人間の世話をするという大変な仕事をしている人達のお給料を上げて欲しい」ってこと。その仕事に従事する人が多ければ、自ずとサービスも向上してくるだろう。

日本は格差社会化が進んでいて「親の収入で学歴が決まる」と言われているけれど、介護の面でも同じだと思う。私自身は親の事でさえヒーヒー言っているような状況で偉そうに言えたものではないけれど、今回のコラム騒動は私自身、色々と考えさせられる部分が多くて良い勉強になったと思う。

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