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地面師たち アノニマス 新庄耕 集英社文庫

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『地面師たち アノニマス』は『地面師たち』の前日譚にあたる作品。小説として読むには物足りない内容。ヲタク的に説明するなら「公式(作者)が作った二次創作的ファンブック」みたいな感じ。

地面師たち』のファンブックだと了解して読むならアリだと思うし、1冊の本として読むなら無しだと思う。

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地面師たち アノニマス

ザックリとこんな内容
  • 『地面師たち』の前日譚を描く短編集。地面師集団のメンバー(後藤、長井、麗子、竹下など)がハリソン山中と出会う前の物語7編収録。
  • 地面師メンバーが地面師に堕ちるきっかけや背景を描き、彼らの人間性や葛藤を描く。
  • 巻末対談ピエール瀧(後藤役)と新庄耕の対談も収録。

感想

私自身は『地面師たち』の副読本だと思って挑んだので、なかなか楽しめた。今回良かったのは地面師メンバーの人となりを深く理解することができた。そして『地面師たち』が世間で評価されたのかを考えるキッカケになった。

私は結局のところ『地面師たち』はハリソン山中のイカレっぷりを楽しんでいただけなのだけど、よくよく考えてみると他の地面師メンバー達も魅力的だったなぁ~ってことに気付かされた。

地面師メンバー(ハリソン山中を除く)達って、悪人には違いないけれど憎めないと言うか根っから悪い人間ではない気がする。そして「根っから悪い人間じゃないんですよ」ってところの裏付けが『地面師たち アノニマス』で描かれている。

後藤にしても麗子にしても地面師に堕ちた経緯は「その気持…なんか分かる」って部分があった。長井は本編からすでに良い人感が出ていたけれど。そしてハリソン山中はつくづく悪いヤツでそれも良かった。

『地面師たち』のシリーズを読んでいた人だったらサクッと読めてしまうボリューム&内容なので本としてのコスパを考えると、オススメするのは微妙ではあるものの『地面師たち』をより楽しむための副読本としては悪くない気がする。

『地面師たち アノニマス』を読んで『地面師たち』を読んだら2倍楽しめるんじゃないかな。私はハリソン山中のイカレっぷりに入れあげているので読んで良かったと思った。

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