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地獄の底で見たものは 桂望実 幻冬舎

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桂望実の作品を読むのは久しぶり。意識的に追いかけていた頃があったけれど、なんとなく遠ざかっていた。『地獄の底で見たものは』は短編集なのだけど各話の主人公は全員アラフィフ女性。まさに私と同じ世代だな…ってことで手に取った。

『地獄の底で見たものは』は題名から想像するような「地獄感」はないので安心して手にとって戴きたい。むしろ軽めの文体で気楽に読めるた。

ちょっとシンドイ時の「息抜きの読書」「お楽しみの読書」として読むのに良いと思う。

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地獄の底で見たものは

ザックリとこんな内容
  • アラフィフ女性をテーマにした短編集
  • 長年夫を支えてきたつもりだったのに突然離婚を切り出された専業主婦。功績を認められず退職した会社員。オリンピックを目指した教え子に逃げられたコーチ。22年間続けたラジオ番組をクビったフリーアナウンサー。彼女達のその後を描く

感想

同世代の女性ならそこそこ楽しめると思う。私は楽しく読ませてもらった。ただ題名はちょっと盛り過ぎだと思った。確かに苦境に陥った女性が主人公ではあるものの「言うほど地獄か?」と思ってしまったから。リアル感がある…言えばそうなのだけど、壮絶な物語ではない。

どの物語も「大変な目にあったけど頑張りました」みたいな予定調和的な感じだったけれど、同世代女性としては共感出来るところが多かったし、何より半沢直樹的なスカッと感があって良かった。どの話もちょっと出来過ぎではあるけれど「今は重たい話を読みたくないんです」みたいな時に読むには丁度良い感じ。

ありがちなテーマばかり…と言えばそうなのだけど、どれも「ありそうな話」なのが良かった。夫から突然離婚を言い渡される専業主婦の話なんかは特に。仕事を持つ女性からしたらビックリするような専業主婦の女性が主人公なのだけど、そんな彼女か変わっていく姿は素直に応援することができた。

どの話も「イイハナシダナー」くらいのノリなのだけど、その根底には「人間、何歳になっても変わることが出来る」って考えがあるのが良かった。私も「年齢に言い訳しちゃ駄目だな」と再認識させられた。

重厚な作品ではないもののアラフィフ女性が元気になれる1冊。軽めの読書がしたいアラフィフ女性にオススメしたい。

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