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神様の暇つぶし 千早茜 文藝春秋

千早茜の作品を読むのはこれで3冊め。『クローゼット』が好みだったので、図書館で新刊を見つけて迷わず手に取った。

凄く上手くなってる!

1冊目の『あとかた』を読んだ時に「私、千早茜の作風はちょっと無理」と思ったのが嘘みたいだ。

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神様の暇つぶし

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文藝春秋
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ザックリとこんな内容
  • 主人公の「藤子」は父親を事故で亡くして1人で暮らす女子大生。
  • 藤子はガタイの良い子で、自分の見た目にコンプレックスを持っている。
  • 父を亡くした藤子の元に亡くなった父親の友達で写真家の「全さん」が転がりこんでいく。
  • 「恋愛なんて私には似合わない」と思っていた藤子だったが、いつしか父親よりも年上の全さんに惹かれていく。そして…

感想

『神様の暇つぶし』をひとことで説明すると「親子ほど年の離れた恋人同士の恋愛小説」ってところ。

小説の世界において、年の差カップルは珍しい題材ではない。川上弘美の『センセイの鞄』とか、小川洋子の『ホテル・アイリス』も同じ系列の作品。

女性が年下設定の年の差恋愛小説の場合、女性が圧倒的なコンプレックスを持っているケースが多いのだけど『神様の暇つぶし』も、まさにそれ。

主人公の藤子は身体が大きいことをコンプレックスに感じていて、好きな男から「牛女を思い出す」とまで言われている。

ちなみに「牛女」は小川未明の童話に出てくるキャラクターで背が高い大女。力が強く、性質はいたってやさしく、涙もろい。しかし、耳が聞こえず、口がきけない…と言う設定。

年の差恋愛を扱った恋愛小説の場合、年上の恋人は「主人公にとって都合の良い恋愛を与えていくれる」って感じで進んでいくことが多い。

『神様の暇つぶし』についても、藤子が恋に落ちる全さんは「人としてアウト」な感じではあるけれど、藤子にとって都合の良い男でしかない。

ただ、他とは少し違っているのは「むしろ全さんの方が藤子に依存している」と言うところが、逐一丁寧に描かれていることだと思う。

パッと見では「藤子に恋することを教えてくれた男」のように思えるのだけど、全さんにとって藤子は特別な女性で、年の差はあるものの対等な立場で恋をしている感じがとても良かった。

全さんは「写真家」と言う設定なのだけど、なんとなく写真家の荒木経惟(アラーキー)を連想してしまった。突拍子もないところとか、女性にだらしないところとか。

クローゼット』も独特な世界観で面白かったけれど、『神様の暇つぶし』も他にはない感じの恋愛小説だった。

私はこのサイトで何度も何度も書いているけれど「他にない作品」を読ませてくれる作家さんは貴重だと思っている。

恋愛小説と言ってもロマンティックではないし、濃厚で胸焼けしそうな内容なので、好き嫌いはあると思うだけど、私は気に入った。

千早茜…これは、ちょっと目が離せない。新作が出たら絶対に読もうと心に誓った。

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白い木蓮の花の下で
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