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店長がバカすぎて 早見和真 ハルキ文庫

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『店長がバカすぎて』は2019年の本屋大賞ノミネート作。一部業界では熱い支持を受けたそうだけど、読んでみればその理由が分かると思う。

とりあえず本(文芸系)が好きな人なら共感できる部分が多くて、私も「その感覚、分かります」と思ったところが多かった。

実店舗を持つ書店がどんどん潰れていっている中「本屋さん」が舞台になっている小説…って設定だけでも「いいな」と思ってしまうし、書店員さんの日常を知るお仕事小説としても楽しめた。

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店長がバカすぎて

ザックリとこんな内容
  • 書店員の谷原京子は28歳の独身女性。本好き。武蔵野書店吉祥寺本店の契約社員として働いている。
  • 文芸担当の谷原京子は店長である山本猛とはそりが合わず、先輩書店員の小柳真理を心の支えにしていたのだが、小柳が辞めることになり……

感想

面白かった…言うよりも「共感した」ってタイプの作品だった。

「本が好き。とりあえず本が好きだし、誰かと本のことを話していたら幸せを感じてしまうし、1人で本を読んでいるときの没入感は控えめに言って最高」

……って思ったことのある人なら『店長がバカ過ぎて』をそこそこ楽しく読めると思う。「そこそこ」と言うに留めたのは、ちょっと微妙な部分もあるからだ。

主人公の谷原京子が「本好きの書店員である」ってところは評価したいのだけど、口が悪くて図々しい。そして「いやいや。お前がそこまで言う権利あるのかよ?」と思わせてしまう部分があって、全面的に賛同できないのが残念だった。

まぁ店長を「バカ」と断定しているあたりでお察しではある。

実際、店長は無能な男として描かれているのだけど、主人公の谷原京子も「それってどうなの?」みたいな言動がある。若さゆえの傲慢…と言ってしまえばそれまでだし「誰だってそういう部分はありますよね」と言われてしまえばそうなのだけど。

物語は全体的にコメディタッチでテンポ良く進んでいくので、アッと言う間に読み進められると思う。言い方を変えれば「ラノベっぽい」とも言える。一応、謎解き要素も入っているけれど、謎解きはオマケみたいなもので基本的にはドタバタを楽しむための小説なのだと思う。

私は本が好きだし、本屋さんに行くと幸せになれるタイプの人間だけど、実際は図書館を利用したり、AmazonAudibleを利用して小説を耳から聞いたりしているし、本を買うにしてもAmazon頼みだったりして実店舗のある本屋さんに行くことは滅多にない。

『店長がバカすぎて』の中で書店員さん達が奮闘する姿を読んで本好きを名乗っているくせに本屋に行かないのは申し訳ないな…みたいな気持ちになってしまった。それくら書店員さんの日常が生き生きと描かれていてお仕事小説としては素晴らしいと思う。

軽いコメディ小説としてもお仕事小説としても楽しい作品なだけに、主人公のことを全面的に好きになれなかった事がだけが残念だった。

続編が出ているそうなので、気が向いたら続も読んでみたい。

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白い木蓮の花の下で