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ウォーキングと児童福祉施設。

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先の三連休は夫と共に奈良県までウォーキングをしてきた。

大阪と奈良の県境の山をガッツリ越えたのではなくて、大和川やJR大和路線に沿った街道を歩いてJR奈良駅を目指した。

大阪とから奈良に入っていく途中にある『武田塾』を見た夫が「こんな山の中に武田塾がある!」と言うので「いやいや。学習塾の武田塾じゃなくて、児童養護施設の武田塾だよ」と説明した。

社会福祉法人武田塾 – 共に在る

児童養護施設って言うのは、かつて孤児院と呼ばれた施設で保護者がいなかったり、保護者と暮らすことができない子どもが暮らす施設。武田塾は武田慎治郎と言う人が作った施設で現在は社会福祉法人が運営している。

武田塾を通り過ぎて奈良県に向かってしばらく歩いて行くと「修徳学院」と言う施設が目についいた。

敷地が猛烈に広くて一見すると「学校かな?」って感じの佇まいなのだけど、公立の中学・高校ではなさそう。私学にしても聞いたことのない名前だったので帰宅してから調べてみた。

修徳学院は大阪府の児童自立支援施設だった。

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児童自立支援施設は犯罪などの不良行為をしたりする可能性のある子どもや、家庭環境等から生活指導を要する児童を入所(通所)させ、必要な指導を行って自立をサポートする施設。昔は感化院とか少年教護院と呼ばれていた。

そして現在の修徳学院は大阪府立だけれど、児童福祉施設の武田塾と同じく武田慎治郎が園長をつとめていた施設だった。武田慎治郎…立派過ぎる。大阪にもこんな凄い篤志家がいたなんて、ちっとも知らなかった。大阪で福祉の仕事に携わっているのに恥ずかしいことだ。

修徳学院は日本ではまだ珍しい「小舎制」というシステムを取っていて規模の大きな寮で暮らすのではなく、お父さん&お母さんをイメージするような夫婦の元で暮らすシステム。世界的に児童系の入所施設は大きな施設ではなく小さなユニットで暮らす方向に進んでいて、修徳学院ではそれを実践している。

そして現在、修徳学院は増築工事中だった。施設の需要が高いことが推察される。

児童福祉施設については保育士試験の勉強をしている時に散々学んできたけれど、それは座学で得た知識でしかなくて深く考えることがなかった。

修徳学院の職員募集のページを見ていると夫婦での採用試験になっていた。だけど「夫婦で住み込んで子ども達の親代わりとして生活したい」と希望する人は限られているだろうし、職員を確保するのは大変だろうなぁ…なんてことを思ったりした。

ウォーキングをはじめてから「自分の目で見て知る」って機会が増えた。例えば…だけど、老人介護の施設や障害者支援の施設が特定地域に密集していたり、ある種の施設が唐突に激増したりしてるな…なんて業界的な流れもふんわり見えてくる。

児童福祉施設や児童自立支援施設は「都会からちょっと離れた田舎」に設置されてるいる事が多いのだけど、それについても色々と考えてさせられる。

誰もが幸せに暮らせる社会が理想的だけど現実はそうじゃない。それを補填するのが福祉制度。人の仕事に上下はないと言われているけれど、修徳学院の職員募集の詳細を見て「私にはとても出来ない」と思ったし「難しい仕事を真摯に取り組んでいる人達って凄いなぁ」と心から思った。

今回のウォーキングは「自分の足で奈良まで歩いた」ってことも感激したけど、福祉業界で働く人間として色々と考えるキッカケになって良かったし、もっと広く学んでいかなきゃいけないな…と改めて思った。

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