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モルヒネ 安達千夏 祥伝社文庫

足立千夏の作品に挑むのはこれで2冊目。

1冊目は「読後、不愉快な気分にさせられた作品だった」と書いたけれど、これも1冊目に負けずとも劣らぬ不愉快本だった。

だが、今回は「足立千夏って、もしかして上手いのかも」と思った。足立千夏は白紙の空間から不愉快を紡ぎ出すことにかけては天下一品なのかも知れない……と。

決して皮肉を言っている訳ではない。演出が上手い人なのだ。

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モルヒネ

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祥伝社
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結婚間近の医師・藤原真紀の前に、7年前、黙って姿を消した恋人・倉橋克秀が現れた。

オランダでピアニストとして活躍しているはずの彼が、なぜ突然?自分の心の傷をさらけ出せた唯一の存在との再会に心乱れる真紀。

やがて、克秀が余命3ヶ月の末期癌であることが発覚した…。

アマゾンより引用

感想

この作品は、ひとことで言うと「不幸」な話なのだけど、のっけから不幸を思わせるようなキーワードを少しずつ積み重ねていって「なんだか不幸っぽい空気」を作っていくのだ。

じわじわと締め上げていくような……読者を追い詰めていくような空気の作り方は上手いと思う。だが、個人的に好きかと問われるとそれは別の話。

在宅医療に従事する医師であるヒロインの前に、末期癌を抱えた元恋人が現れて……という筋書きなのだけど、この元恋人が取る言動のムカつく事と言ったらなかった。

私など彼が登場して数ページもたたないうちに「1人で勝手に死にやがれ」と思ったくらいだ。前回の作品でも思ったが、足立千夏は自分勝手な人間を書かせたらなかなかのものだ。

個人的には嫌いなタイプの作品なのだが、最近は若い女性作家さんと言うと、どれもこれも似たような印象があって、どれを読んでも「口当たりのいいフワフワした作品」かあるいは「とりあえずセックスを描いてみました」的な作品が多いように思う。

そんな中、足立千夏は彼女達とは一線を画するかも知れない。

「なんだか不愉快な話を書く人」ではあるけれど前回読んだ作品と、今回の作品とではアプローチが全く違っている。

まだ読んでいないが、デビュー作も全く違ったテーマとのこと。ちょっと追ってみたいかも。

この作品は「うずくまって号泣しました」と言う本屋さんのポップで馬鹿売れしたとのこと。

おかげでブックオフの100円コーナーにドカンと並び購入する事になった。こういう形で本が売れるのを、読書家の中には苦々しく思う人もいるようだけど私はむしろ大歓迎だ。

本好きとして、本が売れるのは単純に嬉しい。そして馬鹿売れした本は安い値段で古本屋に並ぶので、もっと嬉しい。

本当のことを言うと、出版界に貢献したいなら新刊本を買うべきなのだけど。残念ながら「新刊でも、高くても買いたい」と思わせてくれる本が少なくなっているのも事実なのだ。

なにはともあれ、足立千夏は私にとって久しぶりに「ちょっと気になる作家さん」になった。

デビュー作も近いうちに読んでもみたいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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