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小説智恵子抄 佐藤春夫 角川クラッシックス

高村光太郎の詩集『智恵子抄』をベースに書かれた小説で高村光太郎の友人であった佐藤春夫の目から見た夫婦像が興味深かかった。

あくまでも「事実」ではなく「創作」なのだが『智恵子抄』を読み解く副読本としては最適だろうと思われる。

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小説智恵子抄

砂丘光る九十九里浜に遠見える二つの影。一つは千鳥を戯れ追う童の如き狂女、一つはその姿を見つめる夫-。詩人の著者が高村光太郎・智恵子夫妻の至純な魂の交流を描いた名作。

アマゾンより引用

感想

『智恵子抄』は芸術家であり、詩人でもあった高村光太郎が精神分裂症を病んだ妻の智恵子をうたった詩集。

高村夫妻については、津村節子も『智恵子飛ぶ』という作品を書いている。

津村節子は女性の目から見た智恵子を描いていたのに対し、佐藤春夫は男性の目から見た智恵子を描いているだけに『智恵子抄』のイメージに近い感じに仕上がっているように思う。

「津村節子は、智恵子は光太郎の愛が重たかったのではないか?」という疑問をもとに『狭き門』のアリサのようなポジションに智恵子を置いたが佐藤春夫は、むしろ「2人の愛」と光太郎の気持ちを重視して作品を書いている。

どちらの作品も、それぞれに面白かったが色っぽさにかけては『小説智恵子抄』の方が断然面白かったように思う。

特に、智恵子が発病してからの生活の描写が面白かった。

四つ這いになる光太郎にまたがって、智恵子が乗馬遊びを楽しむ場面などでは事実の悲惨さよりも、むしろ光太郎がその状況をも楽しんでいる風に書いている。

また、赤子のようになった妻を抱いて入浴させながら「智恵子は子を産まなかったかわりに自ら母子の二役をしている」などと光太郎が考える場面などは本来なら悲しい場面なのに、なぜか明るさ感じられて佐藤春夫の切り口の面白さに感心してしまった。

やみくもに「素晴らしい夫婦であった」と賛美するだけにとどまらず光太郎と智恵子の弱みや、身勝手さんなども書いていたところは友人の筆ならではなのだろうなぁ……と思った。

形はどうあれ、必要とし、また必要とされることで結ばれている一対というのは羨ましい限りだなぁ……と思った。

「愛のメルヘン」のような要素が混じってはいるものの大人にだって、メルヘンは必要なのだと思えるような1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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