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瓢箪から人生 夏井いつき 小学館

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物語性の高い小説や読んでいて気持ちが重たくなるような小説ばかり読んでいると、気軽に読むことの出来るものが恋しくなる。特に暑い時期は気力も体力も下がり気味。

そんな時にふと出会ったのが『瓢箪から人生』。著者の夏井いつきについては『プレバト!!』に出てる俳句の先生…くらいの事しか知らない。『プレバト!!』の俳句コーナーは面白がって観ることもあるけれど、自分で俳句を作りたいと思った事は1度もない。

それなのに夏井いつきのエッセイを読んでみようと思ったのは夏の暑さで疲れていたのだと思う。

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瓢箪から人生

ザックリとこんな内容
  • TV番組『プレバト!!』でお馴染みの俳人、夏木いつきのエッセイ集。
  • 『プレバト!!』に出演するに至った経緯や、師匠である黒田杏子さんとの出会い、俳句を広めるための活動について等を綴る。

感想

俳人、夏井いつきのことは『プレバト!!』に出演している姿くらいしか知らなくて、なんとなく自分の中でだけ勝手にイメージを膨らませていたけれど、私が想像していた人とは全然違っていた。

まず『プレバト!!』で夏井先生(プレバトでは「夏井先生」と呼ばれているので、私もそれに習って以降は夏井先生表記で統一する)は毎回、着物を着て登場するので「きっと自分達とは違う生き方をしてきた上流階級の人なんだろうなぁ」と勝手な想像していたけれど「着物はコスプレのようなもの普段は洋服ばかり着ている」「プレバトのスタッフに言われるがままに着せられた」と書いてあったビックリした。

夏井先生は四国の特定郵便局の所長の娘さんなので貧乏をした苦労人…ではないものの、想像していたほどセレブな人って訳でもなかった。地元の公立高校を卒業後は京都女子大学に進学して地元の中学校で国語教師として長く働いている。

国語教師として働きながら結婚し子どもを2人出産。しかし婚家との折り合いが悪くて離婚。離婚後に映像プロデューサーの加根光夫と再婚している。俳句は教師時代から仕事や家事に励む傍らで続けいたとこのと。俳句への情熱ゆえに教師を辞めて「俳句1本で生きていく」と活動を続け、そうこうしているうちに『プレバト!!』でブレイクした…って流れ。

テレビを観て思っていたイメージとは全然違っていた。

夏井先生の俳句への熱い情熱とパワフルな生き様は読んでいて元気が出てくるようだった。

2023年現在で夏井先生は66歳。その年齢の女性が田舎で婚家の親の介護をしながら教師をしつつ俳句を作る…なんて並大抵のことではなかったと思う。それでも頑張りてしまうほど、彼女は俳句が好きで好きでたまらなかったのだろうなぁ。

エッセイ集の前半部は飽きずにイッキ読みしたものの、後半は身内ネタが多くて正直つまらなかった。俳句をやっている人なら面白いのかも知れないけれど「プレバトで夏井先生を知りました」くらいの人間からすると「ふ~ん。それが何か?」くらいのエピソードが多い。構成については、もう少しどうにかならかなったのかと思う。

エッセイとしては「中の下」くらいの内容だけど「俳句って面白いな」とか「もう少し俳句について知りたいな」って気持ちになったので、そういう意味では夏井先生の思惑通りの作品だったのかな…と思った。

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