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そのように見えた いしいしんじ イースト・ブレス

何年かぶりに、ふと思い立っていしいしんじの作品を手にとってみた。

いしいしんじは私にとって大好きだ大嫌いな作家だ。

それこそ出会った頃は恋に落ちたと言うほどのハマりっぷりだったのに、読んでいくいちに空恐ろしい何かを感じるようになり、パタリと読まなくなってしまった。

私自身の中で何かが変わったのかも知れないし、いしいしんじの作風が変わったのかも知れないけれど、理由はよく分からない。

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そのように見えた

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ザックリとこんな内容
  • 白泉社『MOE』に連載していたエッセイを1冊にまとめたもの。
  • 池田進吾の絵が印象的。
  • いしいしんじらしいエッセイ集。
  • 絵や映画、人をテーマにしたものなど。

感想

久しぶりに手に取った『そのように見えた』はエッセイ集だった。

いしいしんじが見聞きした事を書いてあるのだけれど、どちらかと言うと「作者が出会った誰か」について書かれた作品が多いように思う。

作者が結婚して父親になり何度も引越しした事は知っていた。

「もう読まない・嫌いになった」なんて言いながら、昔の恋人を忘れられないストーカー女のように動向だけはチェックしていたのだ。

今回の作品では京都の話が多く、ちらりちらりと家族の影が見える。

いしいしんじは以前から妻である「園子さん」の事を作品の中によく登場させていたけれど、今までは園子さんの事を「妻」と言うよりも「母」として頼りきっているような、甘えん坊なイメージを受けたが今回は少し違ってた。

もしかしたら彼が父親としてのキャリアが出来たからかも知れないなぁ……と思ったりするけれど、これは私の推測に過ぎない。

相変わらずマイペースな作風なのだけど、意外にのも彼は人間を描くのが上手いように思う。

「魚クン」もそうだし、養豚場の「おっちゃん」もそうだし、亡くなった友人にしてもそうだし、相手に対する敬意が感じられる良い文章だと思った。

予想していたよりもずっと面白くて、読んで良かったと思えた。また追いかけてみたいな……とか。

結局のところ私はいしいしんじが好きなのだと思う。

ただ、残念なのはこの作品、装丁が凝り過ぎていて非常に読み難かったって事。

一部を除いたほぼ全てのページの背景が淡いイラストになっていて、パッっと見では綺麗なのだけど、老眼が進行しつつある私には読むのが厳しかった。

本はやっぱり「白背景に黒い文字」が読みやすいように思う。

ガッツリと心に刺さってくるタイプの作品ではないけれど、少し肩の力を抜きたい時に読むには調度良い作品だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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