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変な絵 雨穴 双葉社

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『変な絵』は覆面作家でユーチューバーの雨穴によるミステリ(ホラー?)小説。

私の守備範囲から外れるタイプの作家さんではあるのだけれど、中3の娘が「読んでみたい」と言うので購入した。どうやらYou Tube界隈で評判になっているらしく、今回読んだ『変な絵』だけでなく他の作品も書店で平積みになっていた。

今回は謎解きがメインの作品なのでネタバレ抜きで感想を書くのだけど、ネタバレ抜きでどこまで伝えられるかなぁ。

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変な絵

ザックリとこんな内容
  • 「あなたも、何かがおかしい9枚の絵の「謎」が解けますか?」をコンセプトにした謎解き小説。
  • とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』等、9枚の絵が登場する。
  • 9枚の絵の作者はそれぞれ別人だが、全て1つの物語として繋がっていて、謎が解けた時に真実が明らかになる…

感想

「凄いミステリが出てきたものだなぁ~」と素直に感心した。私はあまりミステリ小説を読まないし、そもそも推理も謎解きも興味のないタイプだけど「新しいタイプの作品だな」くらいの事は理解できる。

小説は長い年月の中で様々な表現方法を模索して進化し続けているけれど、中でも「ミステリ」と言うジャンルは進化の速度が速いと思う。例えば…だけど純文学なんかは「昔から言わんとすることは変わってないよね?」って感じる事が多々ある。

『変な絵』はミステリ小説と言うよりも、謎解き本とかゲームブックのノリに近い気がする。家庭用TVゲーム黎明期に流行ったミステリ系のゲームが好きな人なら、それなりに楽しめちゃうのではないだろうか。

それぞれ全く関係なさそうな絵が1つの事件に繋がっていく仕掛けは面白いと思ったし、読んでいてワクワクした。だけど、人物の作り込みは雑だったし人間ドラマ的な意味で「いやいや…そりゃねぇわ」みたいな気持ちになってしまう設定があったのも事実だ。

物語のベースになる事件の背景については、児童福祉施設で働く人間からすると「無理があり過ぎる」と苦笑いしてしまうけど「細けえこたぁイイんだよ」って感じで読むのが正解なのだろう。

『変な絵』は良くも悪くも「仕掛けと謎解きを楽しむ小説」なのだと思う。

好き嫌いを問われると微妙ではあるけれど、作者がこれからどんな仕掛けの小説を出してくるのかは気になるし期待したい。

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