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かたみ歌 朱川湊 新潮社

『幽霊譚』と言いたくなるような、ちょっと不思議な話を集めた連作短編集。

時代は古き良き昭和。物語の舞台は「アカシア商店街」と言う、これまた昭和ちっくな設定。

昭和と言っても私自身の子供の頃よりも、もう少し古い時代の話なのに、どこか懐かしさを感じさせる話ばかりだった。

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かたみ歌

不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。

殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男の正体が、古本屋の店主と話すうちに次第に明らかになる「紫陽花のころ」。

古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した“かたみ”の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。

アマゾンより引用

感想

ひと言で言うなら「ちょっと良い話短編集」だと思う。それ以上でも、それ以外でも無い。

だが、それが良い。

朱川湊の作品って、ものすごく面白い…ってほどでもないのだけど、お話の1つ1つが温かくて、読んでいてホッっとさせられる。

登場人物が良い人ばかり…って話は基本的に好きじゃないのに、この作家さんの作品だと許せてしまうから不思議だ。

特に、この短編集に登場する登場人物(各話の主人公)達は、美男美女でも、特別な才能がある人でもなく、あくまでも「普通の人」だから、許せてしまうのかも知れない。

幽霊が出てくるだけあって、あちこちに「人の死」が散りばめられているのだけど、その描き方がとても良いのだ。

「死」を描くとなると、どうしても哀しかったり切なかったりするのだけれど、その根底に「救い」とか「優しさ」とか「慈しみ」のような物があって、哀しいなりに納得の出来る話に仕上がっている。

陳腐な言い草だけど、この作品を読んで「人間っていいなぁ…」と思ってしまった。

人間って、誰かを愛し、誰かから愛されて生きていくものなのだと思う。

それは恋愛かも知れないし、親子愛かも知れないし、隣人愛のようなものかも知れない。そういう事を思わせてくれる温かい1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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