ここまで来ると、もはや意地。
2冊目以降は毎度のように「もう読まなくてもいいよね」と思うのだけど、どんな作品でも最後まで読んでみないことには本当の面白さは分からないのだ。
だからこそ……我慢大会のように読み進めてしまう。だけど、今回もイマイチだった。
バッテリーⅤ
「おれは、おまえの球を捕るためにいるんだ。ずっとそうすると決めたんじゃ」天才スラッガー門脇のいる横手二中との再試合に向け、動きはじめる巧と豪。
バッテリーはいまだにぎこちないが、豪との関わりを通じて、巧にも変化が表れつつあって――。
横手の幼なじみバッテリーを描いた、短編「THE OTHER BATTERY」収録。
アマゾンより引用
感想
主人公の巧を、どうしても好きになれないのが敗因だと思う。もしも私が巧と同じ年頃に読んでいれば、感想は変わってくると思うのだけど。
34歳になったいま、ふくれっつらの中学生なんて、面白くもなんともありゃしない。「天才だから」のひと言で、何もかもを片付けてしまっているのが良くないのだろうか。
凡人には天才の気持ちが分かるはずなどないのだ。それでいて「天才に惹かれる」というところに持っていくとするならば、天才が魅力的でなければいけないと思う。
初めて読んだ時は面白かったのだけど、飽きてきちゃったのだからどうしようもない。
私が主人公の巧にイマイチ思い入れすることが出来ないのは「天才としての魅力に欠ける」部分もあるが、巧が人として冷たいからだと思う。
思春期だからって何でもかんでも許される訳じゃない。その辺をラストでどんな風に描いてくれるのか楽しみだ。
あえて良かった探しをするならば、今回は完全無欠の豪が、悩みモードに突入していたのが面白かったことだろう。
この作品の登場人物達は、いまいち「中学生」というリアルさに欠けるような気がする。
もしかすると男性の視線で読めば、また感想は違ってくるのかも知れないけれど。
我慢大会もあと1冊。ここまで来たら、最後までつきあいたいと思う。
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