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誰かがこの町で 佐野広実 講談社

Amazonオーディブルを入れてからは「今まであまり手を付けなかったジャンルや作家さんの作品を読もう」と意識している。

『誰かがこの町で』は「王様のブランチ」と言うテレビ番組で紹介されたとかで、ちょっとした話題になっていたのだけれど、ミステリと言うことでイマイチ乗り気になれず、ずっと手を付けずにいたところをオーディブルで見つけて聞いてみた。

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 誰かがこの町で

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ザックリとこんな内容
  • 「安全安心な町」をスローガンに掲げた郊外の瀟洒な住宅街で起こった事件についてのミステリ。
  • 主人公である真崎(弁護士に依頼された調査屋)が19年前に起きた一家失踪事件の当事者でもある麻希と共に過去の事件を追うことで様々な事実が明らかになっていく。
  • 安全安心な町で犯罪を犯す住民はいないという暗黙の圧力、不思議なルールの元、隠蔽され続けてきた幼児誘拐事件と一家失踪事件が繋がっていく…

感想

う~ん。テレビの力を使ってバズらせようとする作品って、やっぱりアレなのかも知れない。

「同調圧力をテーマにした」ってところは評価したいし、同調圧力が関与したいじめ問題が原因で自殺に追い込まれた娘を持つ男と謎の同調圧力によって不幸になった少女が共に謎を追う…って形は評価したいけれど、細部が甘過ぎてちっとも楽しめなかった。

もうね…ツッコミどころが多過ぎるのだ。

スマホを使っている設定なので、ほぼリアルタイムだと思うのだけど昨今の社会情勢を無視し過ぎている。

現代の児童養護施設の職員がどこの馬の骨とも分からない人間に個人情報を開示するとか普通に考えたらあり得ない。そもそも19年前に普通の主婦が児童養護施設なんて言葉を知っていた…って設定も不自然過ぎる。今でさえ普通の人って児童養護施設って言葉を知らない人が多くて「えっ。それって何?孤児院とは違うの?」と言う反応をする人さえいる。

日本人社会に同調圧力があるのは理解出来るけれど、そこそこエリートで頭が良くてお金が自由になる層…いわゆる「意識高い系」の人間がそこまで同調圧力にハマるとは思い難い。マイルドヤンキーが支配するような田舎なら「まぁ分かる…」って話なのだけど。

……と意地の悪いツッコミをしてしまった訳だけど一事が万事詰めが甘いのだ。設定も甘いし、人間の描き方も甘い。女性の描き方には違和感があり過ぎたし、ましてや「母親」とか「親子」を描くのであれば、もう少ししっかり書いてくれないと悲劇にならない。

「同調圧力に屈してしまう人と、それによって起こってしまった悲劇」と言うテーマとか目のつけどころは面白かったけれど、夢中にさせてくれるほどの力がなかった。読後に物足りなさを感じてしまうような残念な1冊で「作者の作品、次はもういいかな…」と思ってしまった。

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白い木蓮の花の下で
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