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こんな格好でごめんなさい。

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先日、元職場の同僚をお茶に誘った話を日記に書いたのだけど、実はあの日記には到底書き切れないドラマがあった。

お茶をした当日。「デートって訳じゃないけど綺麗めファッションで行こう」と思っていた。いわゆる「子どもの授業参観に着ていっても恥ずかしくない格好」って奴。

だけどその日、大阪は猛烈に暑さ。家事をするのに「綺麗めファッション」だと汗だくになってしまう。

「家事してる時はとか買い物は普段着にして、お茶する前にワンピースに着替えるかな」と思い、ジーンズにTシャツ…って格好で半日を過ごし、約束の時間が近づいてきた。

その日の大阪は猛烈に暑くて最高気温は34度。半日家事をしたり、買い物に行ったりしただけでグッタリしてしまった私は「お茶する…って言っても地元のコメダ珈琲だし、制服&ジャージズボン姿を見せあった間柄だから普段着でもいいかな」みたいな気持ちになってしまって、ワンピースに着替えることなく普段着で出掛けた。

元同僚をお茶に誘ったのは「元同僚が仕事の愚痴を貯めているだろうから、聞かせて欲しいな」って理由からだった。だけど蓋を開けてみると、あの時のお茶は仕事の話はほんのオマケでしかなかった。

仕事の愚痴で盛り上がった後、唐突に同僚が「この話は他の人にはしていないのだけど…」とプライベートの話をしてくれたのだけど、それが超絶重たい内容だった。

私は決して苦労知らずの人間ではないし、今まで知り合った友人や知人にも苦労人は多いのだけど、それでも「ああ…それは大変でしたね。ぶっちぎりの優勝ですね」レベルの苦労話だった。

元同僚は2時間半ほど涙ながらにプライベートの話をしてくれて、私は特に気の効いた言葉をかけるでもなく相槌を打つくらいしかできなかった。

たくさん話をしてたくさん泣くには相手が必要だと思う。気の効いた事は言えなくて話を聞くだけでも元同僚の役立てたのかな…とは思うと同時に「こんな変な格好でごめんなさい」と心から後悔した。

ちなみに。その日の私が着ていたTシャツはコレ。

岩下の新生姜Tシャツ姿の私

岩下の新生姜Tシャツ姿の私

なんかこぅ…こんな変なTシャツを着た私に元同僚がどうして唐突に打ち明け話をしてくれたのかは分からない。もしかしたら、こんな変なTシャツだからこそ気を許してくれたのかも知れない。

コメダ珈琲のテーブル席で面白Tシャツを着た人の前でさめざめと涙を流す女性の絵面はなかなかシュールだったに違いない。私が男性だったら完全に「別れ話を切り出された女性と穀潰しのチンピラ彼氏」に見えたと思う。

「またお茶しましょうね」と約束して元同僚と別れた。

……思えば私。同僚だったり元同僚からの「涙ながらの打ち明け話」を聞くのはこれが初めてじゃない。

「辞めることになったけど楽しかった職場」で仲良くなった職場の同僚からはもれなく「涙ながらの打ち明け話」を聞いている気がするし、そんな話をしてくれた人とはずっと関係が続いている。

もしかしたら今回の彼女との関係もずっと続いていくのかも知れないな…とぼんやり思った。

それはそれとして。

「隣の芝生は青い」ではないけれど、人間はとかく他人が良く見えてしまう。私も彼女がそんなに苦労してきた人だとは思っていなかった。パッと見では優しくて普通の中年女性なのだもの。

善因善果、悪因悪果…とはいかないまでも、良いことをした人にには良いことがあって欲しいと思わずにはいられない。元同僚にはこれから沢山幸せになって欲しいと心から思った。

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