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74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる 牧師ミチコ すばる舎

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図書館の人気本コーナーに並んでいたのを見て借りてみた。内容は題名の通り。74歳の牧師の女性の書いた日常エッセイ。

私はクリスチャンではないけれど「74歳、1人暮らしの女性の生活」に興味があった。年を取って老いていく…って嬉しいことばないけれど、私も50歳を前に位して「いつか私も行く道なんだな」と思うし、実母は義母の気持ちに寄り添うのにも役に立つかな…と期待してみたり。

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74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる 牧師ミチコ

ザックリとこんな内容
  • 牧師の妻となり、自らも牧師として働く74歳女性が書いたエッセイ。
  • 公営住宅に住み7万円の年金とシルバー人材センターで働いて得た賃金での生活する作者の日々を描く。
  • 食べ物のこと、仕事のこと、娘と孫達との関係、信仰のこと…など。

感想

個人的には面白かったし、作者の生き方には憧れちゃう部分もあったけれど『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』だなんて題名は少し煽り過ぎかな…って気がした。

この本は帯や装丁の雰囲気から察するに「年金7万円の1人暮らしでも心豊かに暮らせますよ」ってところが出版社的な推しポイトンだと思うのだけど、作者の生活を根本的に支えているのは清貧の生き方でもなく、信仰でもなく「健康」だと思う。

最近の高齢者は元気だと言われるけれど、それにしても作者は相当元気な人だと思うし、それは努力もあるだろうけど生まれ持ったものだろう。私の周囲には色々なタイプの高齢者がいるけれど、作者のようにパワフルに生きている人はあまりいない。

……と。いきなりケチを付けるような事を書いておいて、ここから持ち上げるのもアレだけど、私が引っ掛かったのは「本の売り方」についてのことで、読み物としては学ぶところが多かった。

作者は決して特別な生活をしている訳ではなくて「健康に良い」と言われることを忠実に行っているに過ぎない。

  • 早寝早起き。
  • 自分で手作りした食事をしっかり食べる。
  • 沢山の人と関わってコミュニケーションを取る。
  • 自分の出来る範囲で運動をする。
  • 賃金労働に従事する。

……どれもこれも「健康な生き方」とか「認知症予防」がテーマの実用書に書いてあるような事ばかり。でも人間は楽な方に引っ張られてしまいがちで、良い事だと分かっていても実行出来なかったりする。

作者のように老いていけたらいいな~と思うものの、それってかなり難しい事なのだと思う。

若い頃、私はずっと「働きたくない。隠居したい」と思って暮らしていたけど、今は「年を取っても自分が出来る範囲の仕事をして社会と関わっていたい」と思うようになっている。

作者は夫を亡くして1人暮らしをしているけれど、1人じゃない。

『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』を読んで、人間は社会の中で生きていく生き物だから自分以外の人間とコミュニケーションを取りながら暮らしていくのが自然な姿なのかも知れないな…ってことを思ったりした。

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