読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』感想。

『タクシー運転手 約束は海を越えて』は、1980年の光州事件の実話を基に描いた作品で第90回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。

私は光州事件については全く知識がないまま視聴したけれど、知識ゼロでも楽しめる作品になっていた。ただ、光州事件について知っている人の方が楽しめるだろうとは思う。

主演のソン・ガンホは『パラサイト 半地下の家族』でも資産家の運転手として働く父親の役を演じている。美男子系の役者ではなく演技派系の役者で『タクシー運転手 約束は海を越えて』でも、なかなかの名演技を観せてくれている。

スポンサーリンク

タクシー運転手 約束は海を越えて

タクシー運転手 約束は海を越えて
택시운전사
監督チャン・フン
脚本オム・ユナ
製作パク・ウンキョン
チェ・ キソプ
出演者ソン・ガンホ
トーマス・クレッチマン
音楽チョ・ヨンウク(英語版)
公開大韓民国の旗 2017年8月2日
アメリカ合衆国の旗 2017年8月11日
日本の旗 2018年4月21日

あらすじ

1980年5月に韓国の全羅南道光州市(現、光州広域市)で起こった民主化を求める民衆蜂起した光州事件をベースにして作られた作品。

史実においては全斗煥らによるクーデターや金大中の逮捕を発端として、学生や市民を中心としたデモが戒厳軍との銃撃戦を伴う武装闘争へと拡大している。

ソウルのタクシー運転手キム・マンソプは妻が病死した後、シングルファーザーとして1人娘を育てる日々を送っていた。キム・マンソプは最初から真面目にシングルファーザーをしていた訳ではなく、妻の死からようやく立ち直って娘と2人で過ごす生活を受け入れることが出来るようになった矢先に事件が起こった。

キム・マンソプは、10万ウォンと言う高額な運賃が得られることを期待し、ドイツ人記者のピーターを乗せ光州へ向かうことになった。光州ーの検問を掻い潜り光州へ。

そこでピーターは軍による暴虐を目撃し、その事実を全世界に発信するため撮影記録を持ち帰ることを決意する。

キムも仲間や市民との出会い、そして無残にも次々に死んで行く彼らを見るうち、次第にピーターの使命を理解するようになり……

光州事件を知る人と知らない人

私は光州事件を知らなかったし、知ろうともしなかったのだけど「韓国にも大変な時代があったのだなぁ…」としみじみ思った。

日本…ってか、日本人にとって韓国って国は親しみが無いどころか、好きじゃない人が多いと思う。実のところ、私自身も韓国や韓国人に良い印象は持っていなかった・

それでも『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観ると「なぁ~んだ。日本人も韓国人も変わらいじゃないの」みたいな気持ちが込み上げてきたし「韓国にも大変な時代があったのだなぁ…と涙を禁じえなかった。

普通の人々が政治に振り回されるのはどこの国でも同じなのだなぁ。

『タクシー運転手 約束は海を越えて』は光州事件を知っている人が見れば深く思うことがあるだろうし、知らない人が見てもそれはそれとして心に響くところがあると思う。

良き韓国人としてのソン・ガンホ

『タクシー運転手 約束は海を越えて』の主人公を演じたソン・ガンホは『タクシー運転手 約束は海を越えて』を語る上において外せない存在だと思う。

ソン・ガンホは『パラサイト 半地下の家族』では駄目な父親を演じていたけれど『タクシー運転手 約束は海を越えて』では人間味あふれる良き韓国人男性を演じている。

もしかすとソン・ガンホはアメリカ映画におけるトム・ハンクスのような存在なのかも知れない。男前枠じゃないけれど「良き国民」を代表するような存在…って言うのかな。

ソン・ガンホ演じるキム・マンソプはパーフェクトな聖人ではなく、弱い部分も持っているので、観ている人間が心を寄せやすいのだと思う。

心熱き韓国の人達

『タクシー運転手 約束は海を越えて』に登場する人達は善良で気持ちの良い人が多かった。

例えば…だけど、キム・マンソプは借家に住んでいるのだけれど、何ヶ月も家賃を滞納している。大家の妻は家賃の滞納についてもガミガミ言うし、大家の子どもとキム・マンソプの娘が喧嘩をした時も決して譲らなかったけれど、キム・マンソプが光州に行って帰ってこられなくなった時は娘の面倒を引き受けてくれている。

ピーターと共に光州に入ってから、光州の人達はピーターとキム・マンソプを温かく迎え入れてくれている。決して裕福でない暮らしの中から心尽くしの食事を用意し夕食を共にする場面は人と人との繋がりの尊さを感じさせてくれた。

光州事件の残酷さ

私は光州事件について全く知らなかったのだけど、ホント酷い。

どこの内部紛争的なことは韓国だけでなく、どこの国でも起こっているけれど、同国人同志が傷つけ合うなんて、こんなに哀しいことはない。

光州事件を自分の目で見ることでキム・マンソプの気持ちも変わっていく。最初は「こんなのゴメンだ。早く娘のいる家に帰りたい」と言う気持ちだけが前に出ていたのだけど、いつしかピーターに協力することを決意する。

ツッコまずにはいられない場面も

韓国映画特有のテンポの良さで飽きさせず最後まで楽しませてくれた作品ではあるけれど、どうしてもツッコまずにはいられない場面もあった。

ラスト、山間部でのカーチェイス。あれはほとんどコメディだった。

タクシー運転手軍団、いくらなんでも強過ぎでは?

「まあまあ。こまけぇこたぁ、いいんだよ」って話だとは思うのだけど、リアルに寄せて進めてきたドラマが突然のカーアクション。普通のタクシー運転手がF1ドライバーのような大活躍をするのには「おいおい…」と思わず突っ込んでしまった。

韓国映画ってインド映画に通じる唐突さがあるよなぁ…と改めて。

韓国映画はまだまだ観ていない作品が多いので、これからも気をつけてチェックしたいと思う。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画
スポンサーリンク
白い木蓮の花の下で
タイトルとURLをコピーしました