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椿山課長の七日間 浅田次郎 朝日文庫

う~ん。上手い。今の日本でコメディタッチで最後に泣かせる話を書かせたら、浅田次郎の右に出る人はいないんじゃなかろうか。

最近は荻原浩を追いかけていて「浅田次郎系だよねぇ」なんて事を思っていたのだが、読者をねじ伏せるような…圧倒的なパワーは浅田次郎ならではだと思う。

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椿山課長の七日間

椿山和昭は働き盛りの46歳。過労で倒れ、現世と来世の中間にある中陰の世界で目が覚める。

やり残した仕事、愛する家族を思うと、どうしても自分の死を受け容れられず、現世に戻ることを願い出る。許されたのは初七日までの三日間。

中陰でかけられた「邪淫の罪」の疑いも晴らすため、美女の肉体を借り現世に戻るが――。

アマゾンより引用

感想

私は個人的に「蘇りネタ」は嫌いなのだけど、この作品はちっとも気にならなかった。

導入部がコメディなので入りやすいのと、蘇る人達の背景に筋が通っていて「応援してあげたいかも」と思わせるものがあったのだ。

やはり私は数ある浅田次郎の作品の中でも「面白切ない」な路線の作品が好きみたいだ。

それにつけても浅田次郎は鼻っ柱の強い女性が好きだなぁ。

仕事がバリバリ出来て、エネルギッシュで、おおよそ女っぽくないのだけど、芯は純情……って感じの女性を書かせたらピカイチだと思う。

浅田次郎は女性に限らず「頑張ってる人」が好きなんだと思う。だからこそ日々、頑張って働いている日本人は浅田次郎の仕掛けた罠にハマってしまうのだろう。

そして今回の作品では次郎の大きなテーマである「親子愛」が綺麗に描かれていたのが良かった。

他の作品を読んでも感じるのだけど、次郎の書く小説は「恋愛」よりも「親子愛」のウェイトが高い。

ただ女性の目から見ると、浅田次郎の書く「母」はかなり偽物臭い。

男達が理想とする母親像と言うのだろうか。リアリティのなさが弱点だと思う。

読み物としては面白かったのだけど、作品としては、いま一歩踏み込みが足りないような印象を受けた。

筋書きは良かったのだがオチに納得がいかなかったので読後感が微妙たったのだ。

もうちょっと大事なところを突き詰めて欲しかったな…と少しだけ残念に思った。

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白い木蓮の花の下で
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