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東京ディストピア日記 桜庭一樹 河出書房新社

数年ぶりにに読む桜庭一樹作品は小説ではなくエッセイ。

作家の視点からコロナ禍の東京を観察&記録したもので改めて読むと「そんなこともあったよなぁ…」と懐かしい気持ちになってしまった。

読みやすい文章なのでコロナ禍での生活を振り返るために読んでみるのはアリだと思う。

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東京ディストピア日記

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ザックリとこんな内容
  • 直木賞作家である桜庭一樹が2020年1月から2021年1月までの出来事を記録したエッセイ週。
  • コロナ禍の東京での生活を追体験出来るような1冊。
  • オリンピック延期、和牛券、休業要請、#うちで踊ろう、Zoom飲み会、アベノマスク、ステイ・ホーム太り、自粛警察…等。

感想

記録としては面白かったのだけど「作家の日記」に過ぎないので文学的なものを求めて読むと面白くないと思う。私はけっこう楽しめた。

わずか1年前のことなのに随分と記憶が飛んでいて「そう言えばこんな感じだったなぁ」と懐かしく思いながらページを繰った。作家が時事を記録しておく…って大切なことだと実感した。個人のブログやツイッターではこうはいかない。

もちろん、あくまでも作家視点での記録なので偏った見方になっている部分はあると思う。特にコロナ禍ではそれぞれの立ち位置によって生活スタンスが違ってくる。

例えば…だけど、医療従事者が『東京ディストピア日記』を読んだとすると「自分はこんなに頑張ってるいのに呑気なもんだな」と軽くムカつくんじゃないかと思うし、ノーマスク&反ワクチン派の人が読めば別の方向で違った感想が生まれるだろう。

桜庭一樹は作家ではあるけれど、あくまでも「一個人」でしかなく『東京ディストピア日記』も一個人の日記の域を出ない。

それでも素人が書いた記録とは違っているのはさすが作家だと思った。

私は『東京ディストピア日記』を読みながら、なんとなく林芙美子の『北岸部隊』を思い出してしまった。『北岸部隊』は林芙美子が従軍記者として戦地に行った記録なのだけど、従軍記でありながら林芙美子の我のようなものが見え隠れてしていて面白かった。

作家視点で好き勝手に書く日記…いいじゃない!

ものすごく為になるような作品ではないけれど、当時の自分の生活を振り返りつつ、桜庭一樹のフィルターを通したコロナ禍の東京を見るのは面白い体験だった。

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白い木蓮の花の下で
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