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そこに工場があるかぎり 小川洋子 集英社

久しぶりに読む小川洋子作品は小説ではなくエッセイ集。

図書館で夫や娘の本を物色していたら、工業系の棚に小川洋子の名前を発見。「小川洋子と工場って、どう言うこと?」と思って手取ったところ工場見学エッセイだったので、なるほど納得。

小川洋子ファンなら「なるほど~」と思って戴けるかと思う。

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そこに工場があるかぎり

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ザックリとこんな内容
  • 小川洋子の「工場愛」が炸裂する工場見学エッセイ。
  • エストロラボ、グリコピア神戸、桑野造船、五十畑工業、山口硝子製作所、北星鉛筆に芥川賞作家、小川洋子が足を運ぶ。
  • 誰もが知る大工場から町工場まで、小川洋子の独特な視点が光る。

感想

工場マニアが真面目な工場見学エッセイを期待して読むとガッカリすると思う。『そこに工場があるかぎり』は小説家の小川洋子が書いた「工場をテーマにしたエッセイ」なので、工場レポートとはとても言えない。

工場ごとに視点が変わっていて「えっ?そこは工場にとって大切なポイントなんですか?」みたいなところがクローズアップされていたりもする。だが、そこが良い。小川洋子が自分の好きなことを書きたいように書いてる感がにじみ出ていて、楽しい作品に仕上がっている。

小川洋子ファンなら、小川洋子の独特な偏愛っぷりは理解していると思うのだけど「ああ…あの作品の原点はこう言うところにあったのか」と感じるエピソードが多くて、小川洋子ファンなら読んでおいて損はないと思う。

「工場を知るためのエッセイ」としては良い出来だとは言えないけれど、小川洋子のエッセイとしては最高。

どのエピソードも面白かったけれど、私が1番気に入ってるのはサンポカー(お散歩カー)を製造している五十畑工業の話。サンポカーとは、保育園等で使われている子どもを乗せて運ぶ箱型のベビーカーのようなもの。

こんなヤツ

街を歩いているとよく見掛けるけれど、どこで作っているのかも知らなかったし「サンポカー」と言う名前がついていることも知らなかった。

ちなみにサンポカーに子どもを乗せてお散歩するのは日本独特のもの。治安の良い日本だから出来ることで、来日した外国人が見るとビックリする光景とのこと。

サンポカーの五十畑工業は制作の工程で他の工場に作業を依頼せず最初から最後まで自社で作っているとのこ。私が知らないだけど日本には丁寧な仕事で物作りをする工場(会社)がたくさんあるのだろうなあ。

他のエピソードもそれぞれに面白かったし、小川洋子ファンではなくても「物作り」に興味がある人なら楽しく読めるエッセイだと思う。コロナ禍の今、気が滅入るニュースを観るくらいなら『そこに工場があるかぎり』を読んで楽しい気持ちになって戴きたいな…と思う。

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白い木蓮の花の下で
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