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女中譚 中島京子 朝日新聞出版

中島京子が2010年度の直木賞を受賞したことで、図書館専用コーナーが出来ていて「久しぶりに読んでみるか…」と軽い気持ちで手に取ってみたのだけれど、すごく良かった。

前作のイメージとは全く違う作品で、グイグイ引き込まれてしまった。

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女中譚

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90歳を超えるばあさんは「アキバ」のメイド喫茶に通い、かつて女中をしていた若かりし頃の思い出にふける。

いつの世にもいるダメ男、わがままお嬢様、変人文士先生につかえる、奥深い女中人生…。直木賞受賞作『小さいおうち』の姉妹小説。

アマゾンより引用

感想

大正時代にカフェの女給や、お金持ちの御屋敷の女中をしていた主人公が、思い出を語る連作短編形式。

3つの話で構成されているのだけれど、どの話もそれぞれに味わいがあって面白かった。

久世光彦を思わせるような雰囲気のある作品で、大正ロマン好きの人には是非お勧めしたい。

もっとも久世光彦ほどの淫靡さはなく、そこまで突出した作品とは思わないけれど、彼の作品には無い「女臭さ」があって、良い味を出していた。

1つ目の『ヒモの手紙』は、女の嫌らしさがものすごく上手く描けていた。

主人公のしたことは「酷い」のひと言に尽きるし、後味も決して良く無いのだけど、どこかこう…嫌いになりきれないところがあった。

たぶん、それは女性なら誰しももっているであろう「意地悪な心」が上手く描かれていたからだと思う。

人は時として「こんなことしちゃ駄目」って分かっていても酷い事をしてしまうことがあり、それは決して許されはしないのだけど、誰もが犯してしまいがちな過ちだと思う。

この話の面白さは、そこを上手く突いていた。

2つ目の『すみの話』は美しいハーフ(ドイツ人と日本人)と、女中との淫靡な物語だった。

レズビアンともSMともとれる関係は興味深かったけれど、淫靡な感じが寸止めされていたのが非常に残念だった。

官能方面か、あるいは精神的な部分で深いところまで踏み込んでいれば、もっと面白かったのではないかと思う。久世光彦ならどう描いただろう…などと思ってしまった。

3つ目の『文士のはなし』は文学好き(特に永井荷風好き)の人なら面白く読めると思う。私のイメージしていた永井荷風とは全く違っていたけれど、これはこれでアリだと思った。

こじんまり纏まっている感がしなくもないけれど、私の好みのど真ん中だったので面白く読ませてもらった。

この路線の話なら、もっと読んでみたいと思う。中島京子は旬の作家さんでもある事だし、他にも何冊か読んでみようかと思った。

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白い木蓮の花の下で
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