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半落ち 横山秀夫 講談社文庫

『半落ち』は「泣けるミステリー」みたいな評判だったように思うのだけど、泣けるどころか軽くムカついた。

本を読んで「こんちくしょう」と思ったのは久しぶりである。以下、ミステリーの感想には厳禁のネタバレ満載なので、ネタバレが嫌な方はご遠慮ください。

どうしてもネタバレを書かないと、感想にならないもので悪しからず。

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半落ち

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「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。

動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。

アマゾンより引用

感想

文章のタッチや、派手に走らないところは良いと思う。

話の持っていきかたも悪くないし、登場人物にも味がある。が、私は駄目だった。何が駄目だったかって、肝心要の「オチ」に満足出来なかったのだ。

終わり良ければ全て良し…ってのは逆もまた真なり。終わりが駄目なら、どんなに良い作品でも高い評価には至らないのだ。

警察官の夫がアルツハイマー症候群にかかった妻を殺害したのは納得が出来た。妻が「母親のまま殺して欲しい」と懇願したのも理解出来る。

だが夫が「生きよう」と決意した経緯と、その持っていきようは理解不能だったのだ。

オチを書いてしまうと、こんな感じ。

夫婦は1人息子を白血病で亡くしているのだけど、夫は息子の死後、骨髄バンクに登録して、骨髄提供を経験する。

で、夫は妻殺しの後、自殺を決意するのだが「骨髄提供のタイムリミット(骨髄提供は50歳までしか出来ない)まで生き延びて、出来るものなら、もう1人救いたい」と思い、自殺を思い留まる。

ラストは骨髄を貰って生き延びた人と対面して、メデタシ・メデタシ。

粗筋だけ読むと、いい話っぽいけど、どうなんだろう?

そんなことで自殺を思いとどまるだろうか? だいたいからして「もう1人救いたい」って発想、ちょっと傲慢じゃないか?

骨髄移植は100%成功する訳ではないのだし。それに、ラストでご対面…ってのはタブーじゃないか?(骨髄移植では提供者と提供された人は会ってははいけない…ってのがお約束なのだ)

横山秀夫は骨髄移植に対して、生命の問題に対して、どんな見解を持っているのだろう。良くない言い方なのは承知であえて、言いたい。「舐めるんじゃないよ」と。

私自身、子供の頃に血液疾患で何年か闘病したことがあるので、骨髄移植に思いいれが強く、必要以上にあれこれ考え過ぎなのだとは思う。

だけど、この作品は反則技だと思うのだな。どうしても、どうしても息子を白血病で亡くしている人が…生命の尊さを実感した人が取った行動とは思えないのだ。

この作品を読んで「自分もドナー登録してみようかな」って思う人が増えたなら、それはそれで意味のあることだとは思う。

だけど病気ネタで泣かせたいなら、もうちょっと勉強していただきたいと強く思った1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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