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酒肴酒 吉田健一 光文社文庫

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この作品とは、直接的には関係の無い話だが、作者の吉田健一は吉田首相の息子さんらしい。

外国の文化に造詣が深い人だなぁ……とは思っていたのだけれど、外交官だった父親に連れられて、色々な国に行った経験があるのだとか。なるほどなぁ……と納得した。

さて。肝心の本編だけど、こちらはイマイチ心に響かなかった。基本的に「食べ物エッセイ」は大好きなのに、めずらしくツボを外してしまった感じ。

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酒肴酒

食べること、飲むことの喜びをゆったりと味わう―。うまい酒、うまい料理。文章そのものに酔い、読むことを味わう。“食”の幸せが溢れる名著。

アマゾンより引用

感想

「食べ物のウンチクと知識」という意味においては興味深かったのだけど、どの食べ物も全くと言っていいほど美味しそうに思えなかったのだ。

すっかり忘れていたのだけれど、前回読んだ『本当のような話』の感想にも同じことが書いてあった。

思うに、私は「美味しいものが大好で、食べ歩くのも好きだが、自分が作るのも好き」って人の食べ物エッセイに反応してしまうらしい。最高峰は檀一雄。檀一雄は私にとってもはや恋人のような存在だ。

なんとなく心をそそられなかった作品だけど「粋だなぁ」とは思った。こういうダンディな男も良いものだ。

檀一雄が大好きと言って憚らない私だが、檀一雄はちょっぴりオバサン臭いところがある。そして檀一雄と較べると吉田健一は「粋でイナセな都会の男」って気がする。

もしかして、お育ちの違いもあるのだろうか?

美味しいものを食べて、美味しいお酒を飲むって行為は粋であろうが、そうでなかろうが単純で素敵なものだと思う。

作品自体は、ちっとも響かなかったけど、自分もせっせと美味しいものを作ったり食べたりしよう……とは思った。

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