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映画『アルキメデスの大戦』感想。

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『アルキメデスの大戦』は、三田紀房による日本の漫画を原作とした作品。ちなみに三田紀房は『ドラゴン桜』の作者でもある。

第二次世界大戦の物語で軍艦、戦闘機など旧日本海軍の兵器開発・製造について描かれているものの実話ベースではなく、あくまでもフィクション。原作漫画の一部を映画化したものとのこと。

作り話…と言ってしまえばそうだけど私はけっこう楽しめた。

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アルキメデスの大戦

アルキメデスの大戦
The Great War of Archimedes
監督 山崎貴
脚本 山崎貴
原作 三田紀房 『アルキメデスの大戦』
製作 佐藤善宏
守屋圭一郎
製作総指揮 阿部秀司・山内章弘
出演者 菅田将暉、柄本佑、浜辺美波、笑福亭鶴瓶、小林克也、小日向文世

國村隼、橋爪功、田中泯、舘ひろし

音楽 佐藤直紀
公開 2019年7月26日
製作国 日本の旗 日本

あらすじ

1933年(昭和8年)、海軍では新造艦をめぐる会議が行われており、永野修身中将と山本五十六少将は、来る航空戦に備え航空母艦の必要を訴えていた(航空主兵主義)。

しかし、平山忠道技術中将が持ちだした巨大戦艦の模型に、大艦巨砲主義派の嶋田繁太郎少将は感嘆し、大角岑生大臣も魅了される。料亭で今後の方針を話し合う永野と山本は、平山案の建造予算が異様に低いことに着目し、それを証明しようとするが途方に暮れる。

山本は料亭である若者に出会う。櫂の数学能力の高さに気付いた山本は、櫂に平山案の建造予算が不当であることを証明させようと思い立つ。

櫂は造船業で栄える尾崎財閥家に仕える書生で「西の湯川、東の櫂」と天才の誉れ高い青年だった。

しかし、櫂は嶋田と尾崎留吉の眼前で大艦巨砲主義を批判したことに加え、令嬢の鏡子と親密になったことを姦通と曲解され、東京帝国大学理学部数学科を放校になっていた。

日本と海軍に幻滅する櫂は山本の誘いに応じず、プリンストン大学へ留学しようとするが、出発の間際、日本が戦争で荒廃する様子を想像し「国民に幻想を与える戦艦案を廃し、戦争を阻止する」という山本の説得に応じ…

愛すべき数字馬鹿

漫画原作なのでガチガチの正統派戦争映画が好きな人にはオススメ出来ない。どちらかと言うとリアリティより人間ドラマを重視した作品。

私は主人公の櫂直の魅力にやられてしまった。カッコイイって感じじゃなくてヲタク的で面白いのだ。数学馬鹿…と言うべきか、数字馬鹿…と言うべきか。

  • 好きなことになると早口で喋りまくる。
  • 美しいものを見たら計測せずにはいられない。
  • 数字を好きじゃない人は理解できない。

愛すべき数学馬鹿って感じがとても良かった。

書生をしていた財閥令嬢と良い雰囲気になって、ほんのりしとして恋愛模様もあるものの櫂は「残念な男前」でしかなくて女心を分かっていないし、女性視点で見ると「ちょっと櫂~。ちゃんとして~」としか思えないほどの朴念仁なのだけど、そこがまた良かった。

反戦映画ではない

『アルキメデスの大戦』は戦争映画とは言うものの「戦争の残酷さを描いた反戦映画」みたいな作品ではない。

「戦争は起こしちゃいけないんだ」みたいな描写はほんの少し入れているけど、登場人物達がそのことで苦悩する訳でもないし、なんなら櫂は「数字うぇぇぃ。美しい軍艦カッコイイ~」みたいな感じで能天気。

真面目な戦争映画を期待して見ると「フザケンナ!」って思うこと請け合い。

カッコイイ男を愛でるための作品

私は楽しく視聴したけれど、実のところ『アルキメデスの大戦』は戦争映画としてのレベルは低いと思う。

戦争映画だけど迫力がある訳じゃないし、登場人物達の苦悩が描かれている訳でもない。

「じゃあ、どこに注目して観れば楽しめる訳?」って話だけど『アルキメデスの大戦』はカッコイイ男を愛でるための作品だと私は思う。

数学馬鹿の櫂の面白キャラも良かったし、山本五十六を演じた舘ひろしの男前さは素晴らしかったし、櫂の部下として付き従っていた田中を演じた柄本佑の演技も際立っていた。

脇を固める軍高官達は演技派の役者で固めていて「イケオジパラダイス」と言っても過言ではない。

大事なことなので、ここでもう1度書いておきたい。『アルキメデスの大戦』は実話ベースではなく、漫画原作の映画化作品。「漫画読むぞ」くらいの気持ちで視聴して戴きたい。

本格的な戦争映画を求めている人には絶対にオススメではないけれど「カッコイイ男を愛でたい…」と思っている人には全力でオススメしたい作品だった。

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