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映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』感想。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は1990年に公開されたケビン・コスナーが主演、監督している。ケビン・コスナーが超カッコイイ映画を撮ったらこうなった…的な作品。

アメリカ映画においてネイティヴ・アメリカン(昔風に言うならインディアン)がテーマの作品は多く『ダンス・ウィズ・ウルブズ』はその中でも名作中の名作。

ネイティヴアメリカンがテーマの映画は、どうしても「白人VSネイティヴ・アメリカン」みたいなパターンになりがちだけど『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は今までとは違うネイティヴ・アメリカンを捉えている。

もう30年も昔の作品だけど、今観ても充分過ぎるほど面白かった。

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ダンス・ウィズ・ウルブズ

ダンス・ウィズ・ウルブズ
Dances With Wolves
監督ケビン・コスナー
脚本マイケル・ブレイク
原作マイケル・ブレイク
製作ケビン・コスナー
ジェイク・エバーツ
製作総指揮ジェイク・エバーツ
出演者ケビン・コスナー
メアリー・マクドネル
グラハム・グリーン
音楽ジョン・バリー
公開アメリカ合衆国の旗 1990年11月9日
日本の旗 1991年5月18日

あらすじ

物語の舞台は1863年のサウスダコタ州。ジセッジウィック砦への赴任してきたジョン・ダンバーは愛馬のシスコと見渡す限りの荒野と荒れ果てた「砦」で自給自足の生活を始めた。

ダンバーはある日、前足が白い狼を見つけ「トゥー・ソックス(2つの靴下)」と名付ける。ダンバー狼と心を通わせようと試みるが、狼は付かず離れず。しかしダンバーにとって孤独な生活の中で狼との交流は大切なものとなっていた。

ある日、砦にスー族がシスコを盗みに来る。ダンバーは銃で威嚇して追い払った。

スー族達は「不思議な生活をしている白人がいる」不思議に思うも、部族の将来のためにもダンバーと接触を試みたほうがよいとの結論を出した。そしてダンバーもスー族との接触を望んだ。

翌日、軍服に身を包み星条旗を掲げたダンバーはスー族の集落へ向かうが、の道中、大怪我を負って倒れている女性と遭遇。よく見ると彼女の目は青い色をしていた。ダンバーがその女性を助けようとすると彼女は恐怖に震えながら必死に抵抗しが、意識を失ってしまったため、ダンバーがスー族の集落まで彼女を送り届けた。

集落の者達は白人に対する先入観からダンバーに不信感を抱き彼を拒絶したが、彼の人柄を見込んだ酋長の計らいで、後日それぞれ「蹴る鳥」「風になびく髪」と呼ばれる2人の男を返礼も兼ねてダンバーの元に遣った。

言葉も通じない自分たちを受け容れたうえ精一杯持て成すダンバーに、集落の中心的人物でもある「蹴る鳥」は好感を抱いた。以降、スー族の面々は頻繁に彼の元を訪れ、またダンバーも先住民族である彼らに白人文化を伝えようと試みることで徐々に互いの友好を深めていった。

言葉がなかなか通じず、もどかしい思いをしていた双方の通訳を買って出たのは、ダンバーが以前助けた「拳を握って立つ女」と呼ばれる青い目の女性だった。

拳を握って立つ女は幼いころ、スー族と敵対するポーニー族に家族を殺され逃げ延びたところをスー族に拾われ育てられた。そのため、ダコタ語を問題なく話す一方で、幼いころに身につけていた英語はたどたどしくなっていた。それでも彼女の養父である「蹴る鳥」とダンバーの助けにより意思の疎通が図れるようになった。

ある夜、凄まじい物音で目を覚ましたダンバーが外に出てみるとそこにはバッファローの大群が群れを成して移動していた。

バッファローはスー族にとって命の糧で。ダンバーは急いでスー族に報告。スー族は歓喜に沸き、目撃者であるダンバーは一躍彼らの信頼を得る。

翌朝ダンバーはスー族と共に狩りに出た。毛皮と角だけ剥ぎ取り死体を放置する白人の暴挙に心を痛めながらも、神聖な儀式でもあるスー族様式の狩りに参加する中でダンバーは今まで感じたことのない安らぎを覚えるとともに自分とはどんな存在であるかということに目覚めていく。

交流を深める中でダンバーは「拳を握って立つ女」を意識するようになり、また彼女もダンバーを意識しはじめていた。

しかし「拳を握って立つ女」は前の夫を殺された後から喪に服していたため、仲間の前でダンバーへの想いを悟られないように努めていた。それに気づいた養母は「蹴る鳥」に、「拳を握って立つ女」が彼女の喪を明けさせることを提案。「蹴る鳥」も快諾しやがてダンバーと「拳を握って立つ女」は結婚し自らのティピー(テント)も授かった。

そしてダンバーは部族民同様に「狼と踊る男」と言うスー族の名前もらい、スー族の一員となる。

そして冬。スー族達は山籠りをするために集落を移動する日が来た。

しかし、ダンバーはス日々の出来事を克明に記録した日記を砦に残してきたことに気づく。もし、白人に日記を読まれてしまえば、スー族を危険に晒してしまう。ダンバーは日記を取りに1人で砦に戻るのだが……

ネイティヴ・アメリカンってどんな人達?

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は観る人がネイティヴ・アメリカンについてどれくれい知っているか?」ってところで随分と感想が変わってくると思う。

ここ最近は「インディアンではなくネイティヴ・アメリカンって言いましょう」みたいな流れになっているけれど、アメリカの映画や小説の中には「インディアンは怖い人達」みたいな描き方をしている作品も多い。

アメリカの子ども向けアニメを観ていると、登場人物の子どもがインディアンの格好をしていることがあるけれど決して好意的な描かれ方ではない。

アメリカ映画史の中でもネイティヴ・アメリカンはある時期まで悪者として描かれていたのだけど、いつの頃からか「ネイティヴ・アメリカンは白人に住む場所を追われた先住民」みたいな描かれ方になっている。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』はどちらかと言うと、住む場所を追われた先住民を描いた作品に近いのだけど、それだけで留まっていないところが素晴らしい。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の中でスー族は「素晴らしい文化や考え方を持った心の温かい人達」として描かれていて、ケビン・コスナー扮するジョン・ダンバーはスー族との関わりを通じて、人間としての幸せに気づいていく。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』最高だな…って言いたいところだけど、ネイティヴ・アメリカンの描かれ方については賛否があるらしく、特にネイティヴ・アメリカンの人達からすると「あの描き方は無いわぁ~」みたいな部分も多いらしく、あの世界が全てではない…ってことは理解しておきたいところだ。

アメリカ大陸の大自然を堪能する

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は物語の素晴らしさと同時に、映像の美しさにも注目したい。

アメリカ大陸の壮大な自然の風景が今もなお残っていることに感動した。アメリカと言うと、ニューヨークのような大都会の映像を観る機会が多いせいか、どうにも「都会」のイメージが強いのだけど、今でも手つかずの自然が残っているのだなぁ。

そして圧巻なのがバッファローの大群が走り、スー族達が狩りをする場面。

「あの場面はどうやって撮影したんだろう?」と不思議でたまらない。

どうやって撮影したのかは分からないけれど、あのバッファローの大群のうち2頭は飼育、調教されたものだったとのこと。調教された2頭で近距離での撮影を行ったらしい。

そもそもバッファローを自分で飼おうなんて人がいること自体に驚かされるのだけど、その2頭のバッファローの飼い主はミュージシャンのニール・ヤング。よく分らないけど、なんか凄い。

友情っていいな!

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の面白かったことを書き始めると永遠に終わらないんじゃないかと思うのだけど、最後に1つだけ書いておきたい。

友情っていいな!

白人のダンバーと蹴る鳥の友情が素晴らしかったのもそうだけど、最後の方までダンバーを信じきれていなかった風になびく髪が最後にダンバーに語りかける場面は最高に良いしグッとくる。

もうさ…分かり合えなかった2人が最後に絆を確かめ合うとか控え目に言って最高。

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は30年も前の作品だけど、今観てもなおグッとくる作品だし、気になる方は是非とも観ていただきたいな…って思う。

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白い木蓮の花の下で
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