読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

映画『シティ・オブ・ゴッド』感想。

『シティ・オブ・ゴッド』はパウロ・リンスの小説(日本語未訳)を映画化したブラジル映画。2002年カンヌ国際映画祭に出品したり、アカデミー賞ににノミネートされたりしたらしいけど、大きな賞は受賞していない。

ケーブルテレビの予告映像で観て録画してみたのだけど、思えばブラジル映画を観るのは初めてかも知れない。

……と言うか、そもそも私はブラジルって国をよく知らないのだ。「キャプテン翼で翼くんが渡った国だったっけ?」程度の認識。

映画で描かれていることのすべてがブラジルの真実ではないだろうけど、色々と衝撃的な作品だった。

スポンサーリンク

シティ・オブ・ゴッド

シティ・オブ・ゴッド
Cidade de Deus
監督フェルナンド・メイレレス
脚本ブラウリオ・マントヴァーニ
原作パウロ・リンス
製作アルドレア・バラタ・ヒベイロ
マウリツィオ・アンドラーデ・ラモス
製作総指揮ウォルター・サレス
ドナルド・ランヴァウド
音楽アントニオ・ピント
エド・コルテス
撮影セザール・シャローン
公開ブラジルの旗 2002年8月30日
日本の旗 2003年6月28日

あらすじ

映画の舞台は1960年代、ブラジルのリオで“神の街”と呼ばれるスラム街。主人公のブスタペは、暴力が苦手な優しい少年だった。

しかしブスタペの兄や仲間たちは貧困から抜け出すために銃を持ち、悪事を繰り返す。ブスタペの兄は仲間から殺害され、17歳になったブスタペはカメラマンになりたいという夢を持つ。

ブスタペの兄を殺害したリトル・ダイスはリトル・ゼと名前を改め、殺戮を繰り返してその勢力を拡大していった。リトル・ゼは金になるヤクに目をつけ、周辺の元締めを一斉に殺していく。

リトル・ゼはスラム街のボスにのし上がり、ヤクを安全に売買するため強盗や殺人を禁止し、警官も買収していた。

リトル・ゼがスラム街のボスととして君臨し、暴力と麻薬でスラム街を牛耳っていくなかで、ブスタペもも子ども達の抗争に巻き込まれていく……

『北斗の拳』の世界観

まず私が映画を観はじめて驚いたのは「ブラジルには黒人が多い」ってこと。そう言えばキャプテン翼のロベルト本郷は褐色の肌をしていたっけか?

『シティ・オブ・ゴッド』のメインキャストは子ども達なのだけど、そのほとんどが黒人か黒人のハーフと先住民の子達。白人が圧倒的に少ないのだ。

だけど後で調べたところによるとブラジル人の53%が白人で黒人の比率はわずか6%だった。要するにブラジルのスラム街と呼ばれる場所では多くの黒人が暮らしている…ってことだ。

映画の中はとにかく暴力が正義。暴力につぐ暴力。世紀末を描いた漫画『北斗の拳』の世界って感じだった。

これが1960年代ブラジルのリアルかと思うと驚かされる。子どもが銃を持ち、暴力をふるい、平気で人を殺害する…そんな世界。

出演者の多くを現地調達!

『シティ・オブ・ゴッド』は子ども達がやけに生々しいと言うか、リアリティがある。

なんと、実際に現地のスラム街で素人を募集してオーディション、演技訓練ををして、一部の役柄を除き主要キャスト含めてすべて素人(200人)によるアドリブ主体の演技を撮影した……とのこと。

生々しいのは当たり前だって話。

「素人の子どもを使って映画を撮る」って方法は、今までも多く行われてきたけれど、これほど多くの素人の子どもを使った作品は珍しいんじゃないかと思う。

胸糞悪い作品…ではある

『シティ・オブ・ゴッド』を社会派映画としては「素晴らしい作品です」と言えるのだけど、正直言って胸糞悪い系の映画に分類される。

……だって、いいヤツが1人もいないんだもの!

あらすじで主人公を紹介するのに「主人公のブスタペは、暴力が苦手な優しい少年だった」と書いたけど「だった」と過去形を使っていることに注目して戴きたい。

ブスタペでさえ日本人基準からすれば、相当駄目な少年だし、最初から最後まで銃と暴力と麻薬。「それがブラジルの現状なんです(キリッ)」と言われてしまえばそれまでだけど、真面目系日本人の私にはついていけない世界だった。

ブラジルに生まれなくて本当に良かった…私、あの世界で生き残っていける自信なんてない。

余談だけど『シティ・オブ・ゴッド』の中で最強のクズとも言えるリトル・ゼを演じたレアンドロ・フィルミノ穏やかで、怒ることのない性格とのこと。フェルナンド・メイレレス監督、どんな魔法で演技させたんだ?

作品的には凄いと思ったけど、胸糞映画なの微妙にオススメ出来ないけれど、興味のある方は是非。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画
スポンサーリンク
白い木蓮の花の下で
タイトルとURLをコピーしました