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風よあらしよ 村山由佳 集英社

久しぶりに「人を殺せるほどの厚い本」を読んだ。厚くて熱い1冊。

主人公は婦人解放運動家の伊藤野枝。大正時代の文学作品を読むと、避けては通れない人物なので、私は伊藤野枝の名前とザックリした経歴は知っていたけれど『風よあらしよ』を読むまで、詳しいことは知らかなかった。

この時代に名前を残した女性の人生は面白いなぁ!

随分前に瀬戸内寂聴の『諧調は偽りなり』を読んで「へぇぇっ」と思った覚えがあるけど『風よあらしよ』の方が断然面白かった。

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風よあらしよ

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ザックリとこんな内容
  • 婦人解放運動家の伊藤野枝を描いた伝記小説。
  • 主人公、野江は貧しい家に生まれ、3人の男と結婚し、7人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される。
  • 伊藤野枝の熱い人生を村山由佳の視点で描く。

感想

なんかこう…同じ女性として羨ましいと思ってしまった。

主人公の伊藤野枝は控えめに言って無茶苦茶だし、私が苦手とするアモーレ系の女性だし、筋が通っていそうでそうでもないし、そこまで頭の良い女性とは言えない気がした。

だけど自分の気持ちに真っ直ぐに突っ走っていくところとか、なんだかんだ言いながらも母として生きていたところに共感してしまった。ちょっと与謝野晶子に通じるものがある。与謝野晶子も人としてアレなところはあるけれど、なんだかんだ言って母だったものなぁ。

ただし伊藤野枝の自由過ぎる生き方は周囲の人からすると迷惑だと思うし、身内になのるは遠慮したいタイプではある。そして大杉漣は思想云々はともかくとして、人間として、男として素晴らしいクズっぷりで流石だと思った。

それはそれとして。大正時代の女性文学者の人生って面白いな! 青鞜社に関わっていた人達は特に。

なんと言ったら良いのかな。今の時代に生きている私達が「当たり前」だと思っていることは昔からずっと当たり前であった訳ではなくて、たくさんの人達の努力によって得たものなのだな…と思うと胸が熱くなる。

『風よあらしよ』は、とりあえず勢いで読み切ることをオススメしたい。

面白いのは確かなのだけど、理屈で読むと「それって、どうなの?」みたいな部分も多々ある。主人公視点で読み切ると面白いけど、俯瞰的に読むと「えっ…その行動って完全にクズなのでは?」と思ってしまう可能性があるので、くれぐれも勢いとノリで読んで戴きたい。

ちょっと長めの作品だとげ、最後までぶっち切ることが出来たらグッと来るものはあるかと思う。村山由佳がここまで熱い作品を書く人だと言うことを知って戴きたい。

良い読書が出来て満足した。

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白い木蓮の花の下で
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