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きかんしゃやえもん 阿川弘之 岩波書店

ちょいと前から子ども達の間で大流行している『機関車トーマス』の類似品のようだが、初版が昭和34年という、古めかしい名作絵本。

作者である阿川弘之は戦記物を得意とする小説家で阿川佐和子の父。

阿川弘之はどちらかと言うと堅い作品が多いのだけど、作家としての顔とは別に鉄道に関しては今で言うところのテツ(鉄道マニア)だったらしく『きかんしゃやえもん』には阿川弘之の鉄道愛が溢れている。

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きかんしゃやえもん 阿川弘之

年をとってしまった機関車のやえもん。くず鉄にされる運命が待っていたのですが、ある日、交通博物館の人がゆずってほしいと申しこんできました。

アマゾンより引用

感想

人物の描写が、初期の『サザエさん』と似ているのはご愛嬌といったところ。

機関車に変わって、電車が活躍するようになったため主人公のやえもんに廃棄処分の決定が下りるのだが、危機一髪で第二の人生を歩むことになる……という物語。

作中に、機関車や電車が登場するせいか、子供の頃はお気に入りだったのだが大人になった今読んでみても、なかなか味わい深いものがある。

時代に乗り遅れた主人公の哀しみや、誰の役にも立たず、必要とされないことの孤独が、子供向けの絵本と馬鹿にできないほど上手く表現できていると思う。

もっとも、そんな風に思うのは大人が読むからであって子どもが読めば、主人公のやえもんがが廃棄処分にされないかどうか手に汗握って、ドキドキしながら読むのだろう。

若いときは必死に働き、時代の波に取り残されたが最後、いらないとばかりに切り捨てられてしまう主人公は、なんとなく、リストラ時代を生きるお父さん達を連想させられてましった。

時には古いものを捨て去る勇気も必要だが、捨てるばかりが脳じゃないだろう……と思ってしまうのは理想主義的な考え方なのかも知れないけれど、厳しい時代を生きる、お父さん達が主人公のように良い道が見つかると良いのになぁ。

あらためて手に取ってみて、妙に感慨を持った1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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