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レイモンさん 函館ソーセージマイスター 植松三十里 集英社文庫

『レイモンさん 函館ソーセージマイスター』は私の読書の師匠が感想を書いていて、気になっていたところを図書館で見掛けたので借りてみた。

主人公は実在の人物とのことだけど、「函館ソーセージマイスター」と言う副題に惹かれて予備知識ゼロの状態で手に取った。題名から察するにソーセージ職人の話みたいだし、興味あるな…と。

物語の主人公であるカール・レイモンは今でもお店が続いていて『函館カール・レイモン』として営業しているみたい。神戸にもお店があるようなので、神戸に行く機会があれば是非足を運んでみたと思う。

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レイモンさん 函館ソーセージマイスター

ザックリとこんな内容
  • 第二次大戦前の函館でソーセージ作りをした実在の夫婦の物語。
  • 大正末期の函館。旅館の娘コウは客のーセージ職人で缶詰の指導に来たドイツ人のレイモンと知り合う。
  • レイモンはソ恋した二人は天津まで駆け落ちし結婚。
  • チェコで開いた店は繁盛するが、コウの望郷の念を察したレイモンは函館に戻って日本に永住することを決意する。
  • しかしソーセージは肉食習慣のない日本人に受け入れられなかった。
  • そして戦争が勃発し外国人のレイモンには過酷な状況に陥っていく。

感想

予備知識ゼロの状態で読んだのだけど予想外に面白かった。

何しろ物語のはじまりがドラマチックで素敵なのだ。主人公のカール・レイモンとコウが駆け落ちするところからはじまるのだもの。そもそも「駆け落ち」なんて言葉、現代を舞台にした小説には出てこないもの。

駆け落ちの理由は単純明快。カールが外国人で、当時の日本では外国人との結婚なんてそうそう受け入れてはもらえなかったから。駆け落ちしたカールとコウはヨーロッパで結婚後、函館に戻ってきてソーセージ作りをはじめることになる。

ドラマチックな恋愛をした夫婦だから終生ラブラブで暮らしたか…と言うと以外にもそうではなくて、物語の途中でレイモンは浮気をしていると、ソーセージ作りにしても順風満帆には進まずに、とにかく波乱万丈。テンポが良くて一気読みしてしまった。

ただ物語で引っ張るタイプの作品なので人物の掘り下げについては微妙な感じ。

カールにしても、コウにしても表面的なところは描かれていたものの「実のところどう思ってたんですか?」みたいな部分は描かれていなかった。ただ『レイモンさん 函館ソーセージマイスター』の場合、創作ではなく実在の人物をモデルにしているので、あまり突っ込んで書けなかったのかな…ってところはお察しする。

「世界に飛び出していった日本人」については、なんだかんだと取り上げられることがあるけれど「日本で生きた外国人」については意外と知らない気がする。私の頭の苗にはラフカディオ・ハーン(小泉八雲)、ドナルド・キーン、CWニコルあたりを思い浮かぶけれど、知らないだけでたくさんの外国人が日本にやってきて、様々なことを伝えてくれたのだろうなぁ。

大河ドラマ(朝の連続テレビ小説)的な面白さで楽しめる作品なので、ちょっと元気の無い時に読むには良いと思う。楽しい読書が出来て満足した。

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白い木蓮の花の下で
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