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大正の后 植松三十里 PHP研究所

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大正天皇の皇后の生涯を描いた伝記小説。図書館の『新しく入りました』のコーナーにあったので、何の気無しに手をとったのだけど、予想外に面白かった。

私は近代日本の歴史を深く知らないので面白かったけれど、読む人によっては物足りないかも知れない。

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大正の后

 幼少の頃に農家へ預けられ、「九条の黒姫さま」と呼ばれるほど活発な少女として育った節子。

その利発さと健やかさを評価され、皇太子妃として選ばれたことから、明治、大正、昭和をつらぬく節子の激動の人生が始まった。

病に臥せることの多かった大正天皇を妻として支え、母として昭和天皇を見守り続けた貞明皇后が、命をかけて守りたかったものとは。

大正天皇と皇后の実像に迫った傑作長編。

アマゾンより引用

感想

天皇家とか上流階級の人達って、庶民には思いつかないほど大変な人生を送っているのだなぁ……と感心した。

ヒロインの節子は子どもの頃に親元を離れて田舎に預けられるのだけど、その理由はなんと「天皇家にと嫁がせるため健康に育てるため」なのだ。

実際。その計画は成功する。美しい姫達を押し退けて、ヒロインは「健康で子どもを産めそうだ」と言う理由から、皇太子妃となる。

皇室の生活や風習に明るい人には物足りないかも知れないけれど、そういう世界の事を知らない人間には面白く読めた。皇室の人達って大変なんだなぁ……と言うのが最大の感想。

そして、私は大正天皇の事をよく知らなかったのだけど、実は立派な人だったのだな。

そして病気がちで不幸な人でもあったようだ。歴史といっても、そんなに古い時代の話ではないのに、何も知らない自分に驚いた。

天皇家を扱っているだけに、色々と制約があったのだとは思うのだけど主人公に深く関わる人達が全員「良い人」「素晴らしい人」なのは、少し物足りないように感じた。

とは言うものの、ここを突っ込むのは野暮なのかも知れない。

この作品はあくまでも小説で、すべて史実と言う訳ではないだろうけれど、昭和という時代に至るまでの経緯を知りつつ、自分り知らない世界を覗き見る事が出来て、なかなか充実した読書をする事が出来た。

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