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映画『ラストエンペラー』感想。

『ラストエンペラー』はベルナルド・ベルトルッチ監督作品。第60回アカデミー、第45回ゴールデン・グローブ賞 ドラマ部門作品賞受賞。

1988年の公開当時、映画館で視聴した。坂本龍一がノリノリの時期に制作された…ってこともあって、当時は映画館のCMがバンバン流されていたので40代以上の中年世代なら、映画好きじゃなくても、BGMだけでも聞き覚えがあるのではなかろうか?

現在の世界情勢からすると考えられないような豪華な作品。

このご時世ではここまで豪華に中国を描いた作品を生み出すことは難しいと思う。ケーブルテレビで放送していたので、懐かしさのあまり録画視聴した。

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ラストエンペラー

ラストエンペラー
The Last Emperor
監督ベルナルド・ベルトルッチ
脚本ベルナルド・ベルトルッチ
マーク・ペプロー
製作ジェレミー・トーマス
出演者ジョン・ローン
ジョアン・チェン
ピーター・オトゥール
坂本龍一
ケイリー=ヒロユキ・タガワ
音楽坂本龍一
デイヴィッド・バーン
蘇聡
公開アメリカ合衆国の旗 1987年11月20日
日本の旗 1988年1月23日

あらすじ

作品はじまりは1950年、第二次世界大戦中華人民共和国の一都市となったハルビン駅の構内。

ソビエト連邦での抑留を解かれ、中華人民共和国に送還された愛新覚羅溥儀は洗面所で自殺を試みるが失敗。愛新覚羅溥儀は清朝最後の皇帝にして満州国の皇帝だった。

清朝第11代皇帝・光緒帝の崩御に伴い、西太后は溥儀を紫禁城へ呼び出す。わずか3歳の溥儀は動じることなく、無邪気に「お家に帰れる?」と繰り返すばかり。

死の西太后は、溥儀を皇帝に指名して崩御。即位式の日、家臣たちが三跪九叩頭の礼で新皇帝に拝礼する最中、溥儀はコオロギの鳴き声を追って列中を歩き回る。

再び1950年。

一命を取り留めた溥儀は、中華人民共和国の戦犯として政治犯収容所に送られる。収容所の所長はかつて溥儀を助けたことのある男だった。

収容所で待っていたのは「戦犯」としての自己批判の強要や要人の立場を奪われた生活習慣だった。そんな中、溥儀は過去を回想していく。

紫禁城を出ることが認められず、宦官ら大人にかしずかれて育った溥儀にとって、弟の溥傑は初めて出会った同世代の子供であり、大切な存在となった。

ある日、溥傑が皇帝しか許されないはずの黄色い衣服を着ていたことから、兄弟喧嘩となる。溥傑は「兄ちゃんは皇帝じゃない」と言い、辮髪をせず洋服を着た新しい「皇帝」がいると話す。

溥儀は皇帝である証明に宦官に命令して墨汁を飲ませるが、溥傑は自動車に乗った袁世凱が、新たな皇帝として君臨する姿を見せる。ショックを受けた溥儀は宦官らに問いただすが「紫禁城の外では皇帝ではないが、紫禁城の中では皇帝である」と説明を受ける。

再び1950年。

収容所所長は溥儀の過去を知るため、家庭教師だったレジナルド・ジョンストンが記した『紫禁城の黄昏』を開く。

学生のデモ(五四運動)が盛んになっていた頃、ジョンストンは家庭教師として、勉強だけでなく城外の知識や常識を溥儀に与え、溥儀にとって信頼できる友人となる。

1921年、溥儀の実母が逝去し、溥儀は自転車で城外へ出ようとするが、衛兵に妨げられる。さらに城外へ出ようと屋根に上った際、頭を打ち、西洋人の医師から「眼鏡をかけないと失明する」と診断される。

先帝妃らや宦官は反対するが、ジョンストンは眼鏡を認めないなら、紫禁城の腐敗を新聞を通じて世界に伝えると言い返す。

眼鏡を認められた溥儀が最初に見たものは、お妃候補たちの写真だった。17歳の婉容を皇后に、12歳の文繍を淑妃(第2皇妃、側室)に選ぶ。古式ゆかしい婚礼が行われ、婉容と文繍は友情を結ぶ。彼女を古風な女だと思っていたが、実際には溥儀の理想通り、外国語が話せてダンスが踊れる「モダンな妻」だった。溥儀はオックスフォードへ留学したいという夢を語り、婉容も彼を気に入り好きになりそうだと、互いに好印象を抱く。

再び1950年。溥儀は日本と接近した経緯と理由を激しく詰問される。成長した溥儀は、もはや城外への脱出ではなく改革を志すようになっていた。その始まりは辮髪の断髪と、宦官らの不正を露呈させるための美術品目録作成だった。

日本の庇護下、天津での生活は、軍閥との交渉はあったものの、総じて楽しいものだった。溥儀と婉容は「ヘンリーとエリザベス」となり、社交界でも注目の的となる。

一方、文繍は紫禁城の外では妻として認められず、孤独な思いから離婚を望んでいた。

ダンスパーティーの最中、蒋介石の上海制圧のニュースが伝えられ、溥儀に対して甘粕正彦が「日本公使館へお越し下さい」と誘いかける。文繍は車中で離婚の意思を告白する。

友を失った婉容の護衛のため「東洋の宝石」こと川島芳子が現れる。彼女は溥儀の遠縁であり、あらゆる情報に通じていた。

川島芳子は清朝の陵墓(清東陵)が国民党により略奪されたニュースをもたらし、婉容にアヘンを勧め、婉容は阿片中毒となる。

再び1950年代。溥儀が自発的に満州国皇帝になろうとしたか否か、激しく論争が起こる。

溥儀自身は告白には「日本に誘拐された」と記したが、ジョンストンは『紫禁城の黄昏』に溥儀が望んだと記していた。そして、かつての使用人も天津出立前日に荷造りをしたと告白していた。

当時、溥儀は満州国の支配者の家系に生まれた自分抜きで満州国の成立はあり得ないと考えていた。清朝復活に魅かれる溥儀に対し、婉容は慎重な姿勢を示す。所長は事実を思い出せ、と『紫禁城の黄昏』を溥儀の目の前に置く。

1934年に、溥儀はついに満州国皇帝となる。

満州国皇帝の即位を祝う舞踏会の最中、婉容は涙を流しながら蘭の花を食べる異常な様子を示す。溥儀は婉容をたしなめるが、彼女は日本の傀儡でしかない現状だけでなく何故自分を抱かないのか抗議する。

溥傑の横で客人から挨拶を受ける嵯峨浩を見やり、自分も彼女のように子供が欲しいと訴えるが、溥儀はアヘン中毒が理由だと説明し、訪日にも連れて行かないと告げる。宴を中座した婉容は、芳子の導きでアヘンと同性愛関係に溺れていく。

日本で歓迎を受けた溥儀は帰国するが満州国内の様子が一変。

国務総理大臣は息子の暗殺を機に隠棲し、代わって軍政部大臣張景恵が関東軍の推薦の元、溥儀から後任の承認を得ようとしていた。

御前会議の場で溥儀は自分の知れないところで決められていた張の首相就任を認めないばかりか、諸外国からも承認されつつある独立国として日本のみならず各国と対等な関係を築こうと話すが徒労に終わる。

そんな中、婉容は溥儀に懐妊を告げる。

婉容の相手は満州人の男で、溥儀のためにもなると話す。そこへ甘粕が現れ、承認のサインをするよう迫る。溥儀は皇后の懐妊を告げ、満州国の後継者が誕生すると強気に出るが、甘粕は逆に相手の男の名を溥儀に教える。溥儀は帝室の名誉のため、傀儡となることを余儀なくされる。

婉容は出産するが、生まれた子はすぐ殺害され婉容は静養のため皇宮を離れる。溥儀は彼女を必死で追うが、会えずに終わる。

再び1950年代。溥儀は、共産党政府が用意したあらゆる「告白」に一転して署名し、1959年に特赦により収容所を出所。

文化大革命の嵐が吹き荒れようとしていた折、一介の庭師として植物園に職を得ていた溥儀は、紅衛兵のデモの中に罪人として引き回され晒し者にされているかつての収容所所長の姿を見つける。

溥儀は紅衛兵に話しかけ懸命に庇おうとするが所長は連れ去られていく。

溥儀はその足で街をさすらいかつては自分のものだった玉座へと赴く。そこには彼の顔も知らない博物館の守衛の子供が一人いるだけだった。

実のところ言うほど面白くもない

名作映画と誉れ高い『ラストエンペラー』。ちゃんと観ると実のところ、けっこうダルい。

ザックリ説明すると「愛新覚羅溥儀の一生」って感じなので、幼児期や青年期はそこそこ面白いものの、青年期以降は戦争と文化大革命一色で不幸の連続。

しかも主人公の愛新覚羅溥儀は自分から動くようなキャラじゃないので、いつも受け身。物語は実に淡々と進んでいく。

ハリウッド映画を見慣れていると、正直言ってまどろっこしく感じてしまうこと請け合い。

お貴族様の豪華な生活

さて。「実のところ言うほど面白くもない」としか思えない『ラストエンペラー』の見どころは、なんと言っても中国皇帝の豪華な生活だと思う。

  • とりあえず紫禁城は綺麗
  • 人間いっぱ使うと画面が豪華
  • 刺繍とか調度品とかホント綺麗

フランスだろうがイギリスだろうが、ナチスドイツだろうが「強大な権力を持った人が主人公の映画」ってヤツは、とりあえず画面が豪華で目が喜ぶ。

『ラストエンペラー』の場合「中国最後の皇帝」がテーマなので、中国の底力を見せつけるかのような豪華なセットと舞台背景が実に素晴らしい。

とりあえず、3歳の溥儀が皇帝に即位する場面は圧巻だし、そこだけ観て映画を観た気になっても良いんじゃないかと思うほどだ。

坂本龍一の音楽の魅力

『ラストエンペラー』の良さを語る時、坂本龍一の音楽は絶対に外せない。

坂本龍一は昨今、本業ではない活動に力を入れていて「あの坂本龍一がどうしてこうなった?」感があるものの、当時は本当に凄かったんだな…と思い知らせる。

『ラストエンペラー』で使われた坂本龍一の曲は「耳に残る音楽」なのだ。心に響くとかどうとか…って言うよりも、ふと気づいた時に鼻歌を歌っていたり、メロディーを口ずさんでしまうような…身体に染み渡るような感じ。

「耳に残る音楽を作る」って凄いことだと思う。

中国って国の得体の知れなさ感

この時期に改めて『ラストエンペラー』を視聴すると、中国って国の得体の知れなさ感をしみじみと感じる。

私は昨年の黄金週間に中国を旅行したのだけど、その時に土産物屋で中国皇帝の末裔と名乗る愛新覚羅恒珏氏に会った。

とりあえず「皇帝の末裔が土産物店で働いてるとかどういう事?」って話だけど、中国には「愛新覚羅の末裔」を名乗る人は掃いて捨てるほどいるらしい。

何だか得体の知れない国、中国。そんな中国の歴史を知るためにも『ラストエンペラー』は良い教材じゃいなか…なんて事を思ったりする。

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白い木蓮の花の下で
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