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映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』感想。

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は第80回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、主演男優賞と撮影賞を受賞。映画としての評価は高かったようなのだけど、私はサッパリ覚えておらず、予備知識ゼロで視聴した。

原題は『石油!』との事で、アメリカの石油王の半生を描いている。アメリカの石油王の物語…と言うと、ジェームス・ディーン『ジャイアンツ』が有名だけど、時代背景的には『ジャイアンツ』の世界と同じ。

石油王ネタは胸クソ悪い系にまとめていくのがテンプレなのか、ものすごく胸クソ悪い映画だった。ただし「胸クソ悪い」と言うのは、あえてそんな風に作っているようなので、否定はしない。

ちなみに日本ではPG-12指定。残虐描写があるので苦手な方はご注意戴きたい。

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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
There Will Be Blood
監督ポール・トーマス・アンダーソン
脚本ポール・トーマス・アンダーソン
原作アプトン・シンクレア
『石油!』
製作ジョアン・セアラー
ポール・トーマス・アンダーソン
ダニエル・ルピ
製作総指揮スコット・ルーディン
エリック・シュローサー
デヴィット・ウィリアムズ
出演者ダニエル・デイ=ルイス
ポール・ダノ
ケヴィン・J・オコナー
音楽ジョニー・グリーンウッド

あらすじ

物語の舞台は20世紀初頭のアメリカ西部。主人公ダニエル・プレインヴューは幼い息子のH・Wを連れて油田を探していた。

ダニエルは、サンデー牧場に石油が出ると言う情報をサンデー家の青年ポールから得る。

サンデー牧場を訪れたダニエルは家長でポールの父であるエイベルとポールの双子の兄である牧師のイーライと交渉し、貧しいサンデー家から採掘権を買い取った。

ダニエルは仲間を呼び寄せて試掘を開始。数日後、油脈は掘り当てられたが、そのとたんに爆発炎上事故が発生し、採掘を見物していたH・Wは吹き飛ばされて聴力を失う。

H・Wは精神的混乱からダニエルの家に火を放ち、その事件をキッカケに、ダニエルはH・Wをサン・フランシスコの寄宿舎学校に追いやってしまう。

石油パイプラインを通すためにバンディ家の土地が必要だったダニエルは、イーライが主宰する教会で洗礼を受ける見返りにリース契約を結ぶことになる。

イーライはダニエルを洗礼する時に「自分は息子を見捨てた罪人だ」と信者の前でダニエルに認めさせる。手話を学んで帰ってきたH・Wとダニエルは和解し、イーライは宣教のため町を離れる。

十数年後、成長したH・Wは幼馴染であるサンデー家の娘メアリーと結婚する。

ダニエルは石油事業で大成功するも大きな屋敷で一人さびしく酒におぼれる生活を送っていたダ。そんなダニエルにH・Wは妻とともにメキシコに移り、起業したいと申し出た。

激怒したダニエルは「お前は孤児だから自分とは血がつながっていない」とH・Wを勘当する。

しばらく後、ダニエルの元に布教活動をしていたイーライが突如現れ、バンディ家の土地での石油採掘に出資するよう請う。ダニエルはバンディ家の土地にはもはや石油が残っていないことを明かす。

そして…

可愛そうな男の半生

「立身出世して一大で財を築く人間は「人として失格」な感じに描かなきゃいけないルールでもあるのかな?」と思ってしまうほど、主人公ダニエルは酷い男、可愛そうな男として描かれている。

主人公ダニエルはアメリカに実在した石油王とドラキュラ伯爵をモデルにして作られた…と言うところでお察し戴きたい。激高しやすく、乱暴で作中でも人を殺している。

ただ人としての感情がまったく無い…と言うと、そうでもなくて、血の繋がらない子を引き取って育ててみたり(途中で放り出すけど)、弟への愛着を見せたりもする。綺麗な言葉で言うなら「愛に不器用」ってところだろうか。

ダニエルを演じたダニエル・デイ=ルイスはアカデミー賞、主演男優賞を受賞しているけれど、人格が破綻しているダニエルを熱演している。

残念過ぎる音楽センス

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』はアカデミー賞を受賞(主演男優賞・撮影賞)を受賞していて、映画業界的には評価が高かったようだけど、私にはまったく理解で出来ない部分があった。

音楽がどうしようもなく残念過ぎるのだ。

「これは悪いことが起こる前ぶれだな」と思わせるようなBGMを流しているのに、何も起こらなかったりするし、真面目な場面てポップな曲を流してみたり、登場人物がガチで語り合っている場面で大きめの音でBGMを流してみたり。

音楽の使いどころのセンスが変だし、その上作品の雰囲気と合っていない。

ふんわりとアメリカの開発史を知る

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は日本人がふんわりとアメリカの開発史を知るには良い作品だと思う。

  • 石油を発掘するには何が必要なのか?
  • 石油を発掘する過程
  • 土地を買収していくということ

知らなかった知識がグイグイ入ってくるのが面白かった。

そして「アメリカにも過激な宗教があるんだな」ってところも新鮮だった。

ダニエルが土地を買収しバンディ家の息子のイーサンは牧師なのだけど、その集会の様子は完全にヤバいヤツ。洗礼を受ける人間に自己否定させて殴るとか、高齢婦人の関節の痛みに対して暗示をかけて治すとか。

どこの国にも昔からヤバい宗教があるんだな…と感心してしまった。

見終わった後に不愉快な気分になるタイプの作品で万人受けはしないとけど、駄作とは言えないし好きな人もいると思う。

私はイマイチ好きになれなかったけれど、興味のある方は是非。

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白い木蓮の花の下で
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