同業者として情けない話だけど、たまに放課後等デイサービスで虐待が起こった」と言う報道がある。つい前日(と言ってもわりと前)も大阪市の放課後等デイサービスで虐待が行われて事業停止になった…ってニュースが流れていた。
虐待していた施設長がインタビューを受けていたのを観たのだけどね彼の言い分はこんな感じだった。
- この仕事はストレスが多い
- 怒らなければいけない場面もある
- 人間なので激昂することだってある
……まぁ、分からなくはない。
でも彼はプロなのだから、その言い分は全く通らない。放課後等デイサービスの事業所とって、子どもは全員「お客様」なのだ。
「普通のサービス業で客に失礼なことをするなんてあり得るのかい?」って話だ。
今の職場に来て、はじめて現場に出る時、指導してくれる上司に「お子さん達を前にした時に、自分の立ち位置はどんな感じですか?」と聞いた。
私は学生時代ボランティアで障害児施設に出入りしていたものの、就職先は一般企業だったので会社組織でしか働いておらず「福祉業界の常識」が肌感覚として身についていないのだ。
例えば……
教育実習の場合、たとえ学生であっても「先生」と言う立場で物事を進めていく必要がある。ボランティアをしていた時は「一緒に遊んでくれるお姉さん」って立ち位置だった。
職場は放課後等デイサービスは国や自治体から費用の補助が出ているとは言うものの、利用者さん達は親御さんがお金を払って利用しているので「先生」とも違う感じだし「世話してくれるオバサン」って言うのもなんだか変な感じ。
私の疑問に対して上司は「たとえ子どもでもお客様として接してください」と教えてくれた。
この時、私は福祉の仕事がサービス業であることを初めて知った。
お子さん達に対して馬鹿丁寧な言葉遣いをする訳ではないし、名前を呼ぶ時は愛称で呼ぶし、時にくだけた口調で話をすることもあるけれど、お子さん達はあくまでもお客様。
失礼なことがあってはならないし、一線を越えるなんてことはあり得ない。
放課後等デイサービスって、悪質な事業所も多いので利用者がそれを見極めることは難しい。
ちなみに摘発されていた業者は大阪府内に複数の事業所を展開していて、他の事業所でも虐待で摘発されているけれど、立派な施設を構えていてパッと見だけだとちゃんとしているように見えてしまうから厄介だ。
虐待もそうだけど、お預かりしたお子さんにロクなケアも指導もせずに、ただ転がしているだけ…みたいな施設もあったりする。
補助金目当てに開業する輩が増えてしまうのは補助金事業の闇の部分だと思う。放課後等デイサービスの中には母体が飲食店で、経営者は福祉のことをほぼ知らず、開業業者の言われるがままに開業した…なんて事業所もある。
もちろん良い事業所も多いのだけど、利用者がそれを見極めるのは難しい気がする。障害をもったお子さんの場合、何か辛いことがあっても親に訴えることさえ出来ないことがあるだけに。
保育園にしても児童福祉施設にしても本来なら公的機関が運営すべきものだと思う。せめてしっかり監督してくれたら良いと思うのだけどなぁ。
……などと、ここで私が暑苦しく書き散らしたところで何も変わらないのは分かっているけれど、日本ま放課後等デイサービスの現状を知ってくれる人が1人でも増えるといいな…ってことで書き記しておく。続きを読む→私も慰労金を戴けるこにとなりました。