『最高の人生の見つけ方』は公開時から評判が良くて「いつか観たいな」と思っていたのに、なんとなく観ないままここまで来てしまった。
コロナウィルスの影響で、休日も遠出することがなくなったので、私と夫の間でなんとなく映画ブームが訪れていて、ケーブルテレビで視聴した。
死期を宣告された2人の爺さんが主人公の物語だけど、辛気臭い話ではなく、感動的で楽しい作品なので鬱々としていると時に観ると良い気がする。
最高の人生の見つけ方
最高の人生の見つけ方 | |
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The Bucket List | |
監督 | ロブ・ライナー |
脚本 | ジャスティン・ザッカム |
製作 | ロブ・ライナー クレイグ・ゼイダン ニール・メロン アラン・グライスマン |
製作総指揮 | ジャスティン・ザッカム トラヴィス・ノックス ジェフリー・ストット |
出演者 | ジャック・ニコルソン モーガン・フリーマン |
音楽 | マーク・シャイマン |
あらすじ
自動車工のカーター(モーガン・フリーマン)は、ある日、病院からの電話で自分が病気だと知らされて入院。大富豪で実業家のエドワード(ジャック・ニコルソン)も、裁判の途中で血を吐いて自分が経営する入院。
2日が入院した病院はエドワードの徹底した合理化策で、1部屋2人が義務付けられていたため、2人は同室で闘病することを余儀なくされる。
最初、エドワードはカーターに心を許さなかったのだが頭の手術後、カーターの優しさに気付き、親しくなっていく。
2人はカードゲームするほど打ち解けて、互いの人生の事や家族の子供も話すようになります。
ある日。エドワードとカーターは、主治医から6ヵ月の余命宣告を受ける。ショックを受けたカーターは、書きかけのメモを丸めて床に捨てて寝てしまいます。
翌朝、エドワードの秘書トマスが来て、そのメモを見つけて、エドワードに渡します。そのリストに目を通しても訳が分からないエドワードは、カーターに尋ねると、しぶしぶカーターはメモの事を打ち明ける。
カーターの書いていたメモは「死ぬまでにやりたいことリスト」だった。カーターのリストはリストは、エドワードに訂正されて、こうなってしまう。
- スカイダイビングをする
- ライオン狩りをする
- 万里の長城をバイクで走る
- ピラミッドを見る
- 香港に行く
- 泣くほど笑う
- 世界一の美女にキスをする
- 見ず知らずの人に親切にする
- エベレスト登頂
- 壮厳な景色を見る
エドワードは、このリストを現実にやってみようと、カーターに持ちかけけ、2人は病院を抜け出して旅に出る。
スカイダイビング、タトゥー、マスタングの運転…
そして2人は世界各地の絶景を目にするために、自家用ジェットでの世界を旅する。
旅の途中、2人はいつしか本当の友達になっていくのだが……
爺さん2人のロードムービー
『最高の人生の見つけ方』死期を宣告された爺さん2人のロードムービー。最近だと日本で吉永小百合と天海祐希がリメイク映画に出演している。
「凸凹コンビの珍道中」ってだけでも面白いのに「死期を宣告された爺さん」となれば、こんなの面白いに決まっている。
モーガン・フリーマンもジャック・ニコルソンも約にしっくりくる素晴らしい演技をしていた。
真面目で控えめな黒人と、金持ちだけどちょっぴりクズ野郎の白人。
病気にならなければ出会うこともなく、出会ったとしてもタイプが違い過ぎて友達になれそうももない2人が互いに心を通わせていく過程がとても良い。
そして爺さん2人がキャッキャと少年のように遊びまくっている映像は観ていてとても微笑ましかった。
黒人&白人コンビ
痛快で楽しい作品だったのだけど、ちょっと気になったところがあるので記しておきたい。
世界の映画業界って、黒人と白人でコンビを組ませる時に黒人を善人(切れ者)にして、白人を下げなきゃいけないルールでもあるの?」ってこと。
実話ベースなのだけど『最強のふたり』もワガママな白人と善良で忠実な部下(友人)の黒人の物語だったし『コラテラル』は非道な暗殺者の白人と真面目な黒人の物語だった。
黒人と白人でペアを組むような物語で「駄目っ子黒人と有能な白人」の組み合わせを見たことがない気がするのは気のせいだろうか?
あまりにも行き過ぎた黒人優遇に出会うと、人種差別問題の難しさを感じずにはいられない。黒人を下げて描いて欲しい…と思っている訳でないけれど、あまりにもテンプレート化し過ぎている気がするのは、私が人種差別意識の低い人間だからかも知れない。
友人から家族に行き着く物語
『最高の人生の見つけ方』は男の友情をテーマにした作品であると同時に「家族」をテーマにした作品でもあった。
- 自分本位に生きてきたエドワードは1人娘と絶縁中
- 真面目に家族を守って生きてきたカーターは自分を見失い中
エドワードもカーターもそれぞれに問題を抱えているのだけれど、自分とは正反対の友達と旅をすることでも再び家族の元へと帰っていく。
「余命を宣告された爺さん2人が仕事も家族も放置して旅する物語」にしなかったところは上手いな…と感心した。