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近所の犬 姫野カオルコ 幻冬舎

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前回『リアルシンデレラ』を読んで「姫野カオルコは卒業しよう」と宣言したのに、またしても手に取ってしまった。

ジャケ買いならぬ表紙買い。だって犬の写真が可愛過ぎたのだもの。

「これは良い物だ」と犬好きの勘が働いた。そして、その勘は間違いじゃなかった。

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近所の犬

ザックリとこんな話
  • 「犬が好きだが、犬からは好かれない作家」が描く、犬を巡る私小説。
  • お金持ちのプライド犬モコ、姉のように優しかったシャア等、様々な犬が登場する。

感想

そして恐るべし犬好きの勘。今回の作品は面白かった。軽めの犬ネタ小説。出版社的には「犬小説」として売り出しているけれど、エッセイの方がしっくりくる感じ。

軽いノリで相変わらずの姫野節。面白くて一気読みしてしまった。

作品は題名の通り、姫野カオルコが関わった「近所の犬」にまつわるエッセイなのだけど、犬を見つめる視点が「犬好きあるある」って感じで好感が持てた。

……と言うか「私の行動パターン、見てたでしょ?」と思うほど、自分の行動と重なっていて「おおっ」と感激してしまった。犬好きの人の行動は似たり寄ったりなのだと思う。

私はどの作品も面白く読んだけれど、犬に興味がない人が読んでも面白くないかも知れない。

犬好きには全力でオススメしたいけれど、むしろ犬好きじゃない人に読んでもらって、その感想を聞きたいと思ってしまった。

この作品は直木賞受賞後初めての単行本と言うことだけど、実は直木賞受賞作の『昭和の犬』はまだ読んでいない。

「姫野カオルコは卒業する」と言ったけれど、せっかく戻ってきたことだし『昭和の犬』も読んでみようと思う。満足のいく1冊だった。
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