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寒灯 西村賢太 新潮社

西村賢太の作品を読むのはこれで2冊目。

初めて読んだ芥川賞受賞作も面白かったけれどこの作品もそれに勝るとも劣らぬ面白さだった。

時系列的に今回の作品は私小説で芥川賞を受賞した『苦役列車』よりも先の話だった。

『苦役列車』では恋人もおらず、世を拗ねて1人暮らしをしていた主人公貫多が秋絵という女性と心を通わせ、同棲生活をはじめるところから、秋絵が出奔して再び1人暮らしに戻るところまでの物語が納められていた。

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寒灯

「ぼく、おまえをずっと大切にするから、今後ともひとつよろしく頼むよ」待望の恋人との同棲生活の始まり。仲睦まじく二人で迎える初めての正月に貫多の期待は高まるが、些細な事柄に癇の虫を刺激され、ついには暴言を吐いてしまう。二人の新生活にあやうく垂れ込める暗雲の行方は―。

アマゾンより引用

感想

主人公の非道っぷりは相変わらずの天晴れさだった。

ささやかながら心温まる秋絵との暮らしに感謝する一方で、ちょっとした事からキレて秋絵に対して暴言を吐く。

自分の今まで生きてきた過程にコンプレックスを抱き、そこから抜け出したいと熱望しながらも、駄目なループに入っていくその姿は、ムカつくとか腹立たしいを越えてすがしがしくさえあった。

私自身はこんな男と一瞬たりとも一緒にはいられないし、娘や友達がこんな男と一緒になると言ったら全力で反対する。

だが貫多には不思議な魅力があるのだ。駄目人間なのに、どこか可愛げがある。

ここ数年、こんな作品を書く作家さんがいただろうか?

西村賢太は他の誰にも似ていない強烈な個性と、圧倒的な吸引力を持っている作家さんだと思う。これは凄い器じゃないかと期待大。

私などすっかり惚れ込んでしまった。

しばらくは追いかけていくと思う。次回作も楽しみだし、まだ読んでいない他の作品も読んでみたい。

読む人によって好き嫌いが分かれるとろだと思うけれど、心熱くさせられる素晴らしい1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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